加藤登紀子 生涯現役で歌う“人間讃歌” iPad手に向き合う「人の歴史」への探究心
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【夢中論】シンガー・ソングライターの加藤登紀子(80)は、人の歴史への興味が尽きない。中でも、歌手を志すきっかけになったフランスのシャンソン歌手、エディット・ピアフには特別な思いを抱いている。歴史を知るための信条は「自分の目で見て感じること」。細部に真実があると、アンテナを張り巡らせている。(西村 綾乃)
都内に構える事務所の書棚には、底が抜けるのではないかと思うほどの書籍が並ぶ。親交があった中村哲医師についてまとめた自らの著書や「ひとり寝の子守唄」など歌ってきた楽曲のスコア集、名画の図録集のそばには、出演したジブリ映画「紅の豚」のポスターに、テーブルナプキンの折り方…。あらゆることに興味があることがうかがえる。
2016年2月には「愛の讃歌(さんか) エディット・ピアフの生きた時代」の執筆のためフランスを訪問した。「ピアフを知りたくて、歴史を調べていたら、おばあちゃんがベルベル族(北アフリカの先住民族)だと話してくれた人がいました」。自伝などにも記載がない歌姫の“ルーツ”。現地で教えてもらったエピソードに胸を高鳴らせた。
ピアフは1915年に生まれ、36年にデビューしたフランスの国民的歌手。「3歳から7歳までピアフは角膜炎で目が見えなかった。娼婦(しょうふ)宿に預けられていたのだけど、大道芸人をしていた父が突然やってきて連れ出したの」。調べると、教会が娼婦宿に子供がいることを問題視していたことが分かり「父の身勝手に見えたけれど違ったの」。1989年には、パリのペール・ラシェーズピアフの墓を訪問。墓石に2歳で死去した娘の名前が刻まれているのを目にし、胸を打たれた。
加藤がその存在を知ったのは大学2年の時。追悼番組で流れる「愛の讃歌」を繰り返し耳にする中で、47歳で他界した歌姫に心酔。「歌手になる」と決めた。「戦争や貧困、病気など困難な中にいても、ピアフは歌うことで前を向き続けた」。日本では、越路吹雪が歌う「愛の讃歌」が親しまれているが、歌手が作詞をすることが珍しかった当時、歌詞を書き下ろした歌姫の心の叫びをおもんぱかった。娼婦宿で育ち、娘らを亡くした人間が見つめたものは…。ピアフが暮らした街を歩き、言葉を探して自分の訳詞で「愛の讃歌」を歌い続けている。
ピアフのことだけでなく、気になったことは徹底的に調べるタイプ。美空ひばりさんの歌を歌う際には自宅などを訪れ、その人となりを学んだ。自分の目で見て感じたこと、心が震えたことを血肉に、唯一無二の表現を追求している。
昨年12月に80歳となったが、好奇心は衰え知らずだ。傍らには常に「世界史年表・地図」(吉川弘文館)を置き、世界地図を広げ、年表を眺め、時空を超えた旅をする。浮かんだアイデアは愛用するiPadにメモ。「五線譜も入っているから、作詞も作曲もできるの」と、細かい入力作業などの操作もお手の物。人の人生をひもとくだけでなく、趣味の洋裁では洋服を分解することが大好き。「古い洋服をほどいて分解して、チャックを戦利品にしてみたり」。年代物のチャックも新たな使い先が見つかれば再生できる。洋服も歌も、登紀子色に染めていく。
生涯現役を貫く。「やればやるほど、歌のヒントになって。私の人生は歌がないと実りにならないと気がついたの」。全ての経験が歌につながっていく――。加藤自身の人生も重ね、人間讃歌を歌い続けていく。
◇加藤 登紀子(かとう・ときこ)1943年(昭18)12月27日生まれ、満州(現中国東北部)ハルビン出身の80歳。東大在学中の65年に日本アマチュアシャンソンコンクールで優勝し、歌手デビュー。翌66年に「赤い風船」で日本レコード大賞新人賞を受賞。「ひとり寝の子守唄」「知床旅情」がミリオンセラーに。83年には映画「居酒屋兆治」に出演。1メートル55。血液型O。
≪100作の歌詞まとめたエッセー出版≫「ひとり寝の子守唄」(69年)や「難破船」(84年)など自作曲の中から100作の歌詞などをまとめたエッセー「美しき20歳」(春陽堂)を昨年12月に出版した。コロナ禍以降、YouTubeなどを通じて加藤の歌を知る若者が増え、メロディーを知らない人に「一読で心に残る言葉を」と厳選した。「今年は若い世代と多く出会いたい」と期待している。今月20日には購入者を対象としたイベントを東京堂書店神田神保町店で行う。
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