坂本龍一“ラストライブ”「これが最後になるかもしれない」12・11世界配信ピアノ・ソロコンサート

[ 2022年10月25日 04:00 ]

12月11日にピアノ・ソロコンサートを配信する坂本龍一 Photo by zakkubalan(C)2020 Kab Inc.
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 がん治療を公表し、今年6月にはがんの進行度が「ステージ4」にあると明かした世界的音楽家・坂本龍一(70)が、12月11日に全世界に向けてピアノ・ソロコンサートを配信する。「ライブでコンサートをやり切る体力がない――。この形式での演奏を見ていただくのは、これが最後になるかもしれない」と“ラストコンサート”を示唆している。

 配信は生演奏でなく、9月中旬に収録したもの。1日に数曲ずつ演奏し、収録に数日間かけた。収録の場に選ばれたのは、東京・NHK放送センターの509スタジオ。坂本にとって「YMO」黄金期にあたる80年代に、何度も演奏や公開収録を行った思い出の場所。天井も高く、約300人が収容可能というNHKの中で最も広さがあり、歴史ある音楽スタジオだ。凹凸の壁が特徴的で、坂本自身も「日本で一番いいスタジオ」と太鼓判。音の響きや空間を熟知した上でのパフォーマンスとなる。

 コンサートとしては、ラストとなりそうだが、作曲など創作活動は今後も続ける。周囲の人は「体調は安定しているとはいえ、以前と同じようにいかない体で、音楽制作にも意欲的に取り組んでいるようだ」と話す。14年に中咽頭がんと診断され、昨年1月に直腸がんの治療を公表。同年10月と12月に両肺に転移したがんの摘出手術を受けたと公表している。「ステージ4」と発表後は、主題歌を担当した外国映画「アフター・ヤン」の公開に際してコメントを寄せたが、表立った活動はしてこなかった。

 コンサートは日本以外にも20カ国以上に配信。12月11日正午に初回が放送され、12日午前6時までに計4回。さらに東京・町田の映画館「109シネマズ プレミアムサウンドシアター」でライブビューイングも企画されている。映像は米ニューヨークから招集した映画製作チームが撮影し、配信ライブや他のコンテンツを含めた映画として、劇場公開する計画もあるという。

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2022年10月25日のニュース