桂ざこば 仕事復帰「“絶対泣かへんぞ”と思うて来たのに、目開けたら泣いてんねん アホかいな」

[ 2017年7月29日 16:22 ]

仕事復帰の舞台で、自身の病状をネタとして笑いを誘う桂ざこば
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 塞栓性脳梗塞などと診断され、5月下旬から大阪市内の病院に入院している落語家の桂ざこば(69)が29日、神戸市内で行われた落語会に“出演”し、仕事復帰した。

 31日に退院予定のところ、この日は特別に外出許可を得て「ざこば南光二人会」に出演。まだ落語を披露するまでにリハビリが進んでいないためトークでの参加となった。

 中入り後、舞台袖から羽織姿のざこばが姿を見せると、超満員の客席からは割れんばかりの拍手が起こった。その中、ざこばはしっかりした足取りで舞台中央に進み、しつらえた座布団に正座して深々と手をつきおじぎ。頭を上げると早くも涙で顔をくしゃくしゃにし「おおきに…。出てくる時に“絶対泣かへんぞ”と思うて来たのに、こうして目開けたら泣いてんねん。アホかいな」と自虐気味にあいさつし、早速笑いを取った。

 続けて「皆さん、ご存じでしょ? 私の方が覚えてないんかな。ま、頭の方がポーンといきまして…」と深刻な病状をも軽妙に説明し、入院していた大阪市内の病院に弟子の桂ひろば(39)の妻が言語聴覚士として働いていたことを告白。ひろばもここで舞台に登場し、手術や病状を報告した。

 「なかなか(言葉が)出てけえへんねん」と言うわりには、笑いを交えてのトークは軽妙で、ところどころ言い間違いはあったが、それもネタでは? と思わせるほど。最後は「できるか、できひんか分からんけど、頑張ってアレしますんで、米朝をひとつよろしくお願いします」と、一昨年3月に亡くなった師匠の名を出し、客席に「?」マークを生んだまま退席。続けて出演した桂南光(65)が「桂米朝って言うましたな。あれは絶対腹に(自分が襲名することを)持ってまっせ」と逆フォローし客席を沸かせていた。

 ざこばは5月27日、出演予定だった大阪松竹座の舞台のけいこ中に救急車で運ばれそのまま入院していた。31日に退院予定で、その後は週5日のペースでリハビリを続ける。事務所によるとテレビ復帰などは今後体調を見て決めるという。 

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2017年7月29日のニュース