「さんまのお笑い向上委員会」ネガティブ3要素で視聴者に高い満足

[ 2017年7月7日 18:29 ]

明石家さんま
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 最近のバラエティー番組を評する際によく耳にするのが“内輪ウケ”、“多すぎるひな壇芸人”、“うるさい”のネガティブな3要素。一方でこの3つを番組の“強み”にして視聴者から高評価を得ているのがフジテレビの深夜番組「さんまのお笑い向上委員会」(土曜よる11時10分)だ。

 MCの明石家さんまとひな壇に並ぶ若手芸人らとともに、ゲスト芸人を向上させるべく議論を繰り広げるというトークバラエティー。番組の体裁上は“芸人を向上させる”をテーマに進行するが、その実は本編のほとんどをさんまのオープニングトークに費やしたり、その週のゲストを一度も登場させず次週へまたいだり、番組後半の恒例コーナー通称・閉店ガラガラ(芸人のショートコント披露)が半分以上を占めたりと、テーマはほぼ関係なく、明石家さんまの裁量で自由すぎるトークを展開していく。そこで繰り広げられる、さんまのお笑いフォーマットに沿ったやりとりや、時には収集がつかないほど芸人が入り乱れる状態はまさに“内輪ウケ”、“多すぎるひな壇芸人”、“うるさい”そのものなのだが、視聴者は“だからこそ面白い”とみている。

 データニュース社(東京)が行なっているテレビ視聴アンケート「テレビウォッチャー」(対象2400人)によると、「がやがや感がたまらない番組」(40歳女性)、「わちゃわちゃして収集つかない番組ですがおもしろい」(39歳女性)、「もはや本編よりも、最後の閉店ガラガラが楽しみ」(48歳女性)など、ネガティブな要素に楽しみを見出している。

 番組満足度も今年1月からの平均が3・78(5段階評価)と高満足度の基準3・7を上回る高数値で、時間帯の差はあるが関東で放送されている明石家さんまがMCの番組中トップの数値(日本テレビ「踊る!さんま御殿!!」3・55、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」3・54)。番組開始の15年から3・34→3・51と年々上昇しており、ファンが定着してきたこともうかがえる。

 「お笑いの戦場感があってよい」(44歳男性)といった感想もあり、明石家さんまが口癖のように言っている“ここ(バラエティー)は戦場”をどの番組よりも体感でき、“戦場”で奮闘する芸人たちは面白くもあるがカッコいい。そんな芸人たちの姿を見ることができる数少ない番組の一つだ。

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2017年7月7日のニュース