3冠日テレ 課題は単発ドラマか 視聴率毎回2ケタ狙いたい

[ 2015年1月3日 09:08 ]

年間視聴率3冠・日本テレビの課題は単発ドラマか。昨年7月に放送された「殺人偏差値70」(C)日本テレビ

日テレ年間視聴率3冠「視聴率を読む」最終回

 日本テレビが2014年の年間視聴率で「3冠」を達成。2012年からテレビ朝日との激しいデッドヒートが続いていたが、3年ぶりに王座に返り咲いた。「視聴率を読む」最終回は、日テレの課題を探る。(数字はビデオリサーチ調べ、関東地区)

 日テレの2014年の年間視聴率はゴールデン(午後7~10時)12・6%、プライム(同7~11時)12・5%、全日(午前6時~翌日午前0時)8・4%。各時間帯でNHK・民放を通じて首位となり、11年以来の「3冠」を奪回した。

 13年はともにテレ朝の後塵を拝して2位だったゴールデンが12・0%→12・6%、プライムが11・9%→12・5%とアップした。「笑点」(後5・30)「ザ!鉄腕!DASH!!」(後7・00)「世界の果てまでイッテQ!」(後7・58)「行列のできる法律相談所」(後9・00)と続く日曜夕から夜の強力レギュラー番組が毎週、安定して15~20%を叩き出した。

 全日は11~13年も首位だったが、その3年間の8・0%から8・4%に数字を上げた。「ZIP!」(月~金曜前5・50~8・00)「news every.」(月~木曜3・50、金曜4・50)の“底上げ”が貢献。日テレ編成部は「この1年はそれぞれのレギュラー番組が本当に頑張りました」とコメントした。

 連続ドラマは各局とも2ケタすら難しい時代になった。一度も2ケタに乗らずに終わる作品もある。14年、大ヒットしたのはテレビ朝日「ドクターX~外科医・大門未知子~」(10月クール)フジテレビ「HERO」(7月クール)の2本だけ。

 日テレは「花咲舞が黙ってない」(4月クール)が期間平均16・0%、「きょうは会社休みます。」(10月クール)が同16・0%とヒット。十分、合格点と言えよう。

 盤石に見える日テレに課題はないのか。強いて挙げるならば、単発ドラマか。公式サイトによると、14年に放送されたスペシャルドラマは13本。

 主な作品の視聴率を見ると、
 ▼1月4日(土)「金田一少年の事件簿 獄門塾殺人事件」(後9・00)=9・1%
 ▼2月14日(金)「仮面ティーチャー」(後9・00)=9・4%
 ▼2月28日(金)「最高のおもてなし」(後8・54)=12・0%
 ▼5月2日(金)「悪夢ちゃんスペシャル」(後9・00)=9・9%
 ▼6月13日(金)「磁石男」(後9・00)=12・0%
 ▼6月28日(土)「奇跡の教室」(後9・00)=11・1%
 ▼7月2日(水)「殺人偏差値70」(後7・00)=6・9%
 ▼10月1日(水)「なぜ少女は記憶を失わなければならなかったのか?」(後9・00)=10・1%
 ▼10月24日(金)「ヒガンバナ~女たちの犯罪ファイル」(後9・00)=11・3%
 ▼11月7日(金)「Dr.ナースエイド」(後9・00)=8・7%

 「悪夢ちゃんスペシャル」は北川景子(28)が「ももいろクローバーZ」とコラボし「きもクロ」を結成。「奇跡の教室」は織田裕二(47)が日テレドラマ初主演と話題を呼んだ。「殺人偏差値70」は同局「火曜サスペンス劇場」の中で視聴者の「もう一度みたい作品ランキング」の上位に必ず入る「受験地獄」が32年ぶりに“復活”。最新4Kカメラによる撮影、プロジェクションマッピングを使った演出など最新技術を駆使し、力が入っていた。それだけに、これらの数字はやや物足りなかったとも言える。

 毎回ドラマを“当てる”のは至難の業とはいえ、常時2ケタは欲しいところ。ヒット目安15%も狙いたい。好調なレギュラー番組に加え、単発ドラマも数字を上げてくると、15年も日テレの王座は揺るぎない。

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2015年1月3日のニュース