まんだらけ顔公開中止 万引犯「返したい」の電話も

[ 2014年8月13日 05:30 ]

万引したとされる人物の顔写真公開中止を発表した、古物商「まんだらけ」のホームページ

 アニメのフィギュアや古本漫画などを販売する古物商「まんだらけ」(東京都中野区)が13日、25万円のおもちゃを万引したとされる人物の顔写真を同社のホームページ(HP)で公開することを「警視庁の要請により」中止するとした。同日午前0時すぎ、HPで「警察の捜査に協力する立場をとらせて頂く」と発表。また「犯人の身内と思われる人物から返却したいとの電話があった」との記述もあった。

 被害にあったのは中野区の複合施設「中野ブロードウェイ」にある「まんだらけ中野店」の4階店舗「変や」。4日午後5時ごろ、ショーケースから漫画「鉄人28号」のブリキ製おもちゃが盗まれた。

 同社は警視庁中野署に被害届を提出。さらに翌5日にはHP上で、防犯カメラに写った万引犯とみられる男性の顔に、モザイクをかけた画像を公開した上で「1週間(8月12日)以内に返しにこない場合は、顔写真のモザイクを外して公開します」との警告を掲載した。店頭にも同じ内容の紙を張り出していた。

 まんだらけの広報担当者は12日、返却の期限としている同日中に“犯人”がおもちゃを返しに来なければ、警告通り「顔写真を公開する」との意向に変更がないことをあらためて示していた。同社の“公開捜査”に対して、中野署は12日、「捜査に支障がある」などとして、まんだらけ側に顔写真を公表しないよう申し入れていた。

 今回の“犯人”の顔写真公開問題は、小売業者にとって万引が死活問題となっていることを浮き彫りにした。東京・秋葉原の書店の男性店長(37)は「万引は死活問題で倒産する店もある。画像の公開は抑止力になるので個人的には賛成」と話した。

 一方、別の書店関係者は、店に防犯カメラを設置しているとした上で「信ぴょう性があるのかも含め、公開して訴えられたらどうするのか」と疑問を投げかけた。

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2014年8月13日のニュース