「明日ママ」で児童自傷…放送が近づくと「死にたい」

[ 2014年1月30日 05:30 ]

 番組スポンサー全8社がCM放送を見合わせた日本テレビのドラマ「明日、ママがいない」(水曜後10・00)の第3話が29日、放送された。番組前半のCMは、差し替えられたACジャパン(旧公共広告機構)の公共CMだけだった。一方、全国児童養護施設協議会は、放送を見た児童が自傷行為に及ぶなど実際に悪影響が出ているとして、新たな抗議書を同局に送った。

 ドラマの放送開始から終了までに放送された公共CMは10本。ノーベル製菓やエイブルなどスポンサーではない企業のCMが8本で、ほかに同局の番組の宣伝が数回流れた。

 番組の合間の計4回のCMのうち、1回目と2回目は4本ずつで、すべてが公共CMだった。

 22日放送の第2話ではスポンサー3社がCM放送を見送り、3本が公共CMに差し替えられたが、今回は3倍以上に増加。第2話に続き、番組タイトル表示後の社名も表示されなかった。

 全国児童養護施設協議会はこの日、新たな抗議書を同局に送付。抗議書には、協議会が全国の役員67人に「ドラマがもとで生じた問題」などについて調査したアンケート結果を添付。子供たちが実際に苦しんでいる事例として「第2話の放送が近づくと女子児童が“死にたい”と繰り返した。放送終了後、自傷行為に及び、病院で治療を受けた」「クラスメートの男子から施設の児童が“おい!ポスト!”と何度も呼びつけられた」「放送翌日、クラスメートの男子から施設の児童が“お前もどこかにもらわれるんだろ?”とからかわれた」などの声を紹介している。

 協議会は「20日に抗議書を送付したものの、22日の第2回放送でも子供をペットと同列に扱い、恐怖心で子供を支配するなどの表現が多く見られ、問題の改善はみられなかった」などと指摘。2月4日までに回答するよう求めている。

 日本テレビによると、30日、ドラマのチーフプロデューサーらが都内の協議会事務所を訪れ、制作意図などを説明する予定。抗議書への回答文も渡すという。

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2014年1月30日のニュース