グラミー賞選定の梯さん「反響大きく、びっくり」

[ 2013年1月11日 18:58 ]

 米音楽界最高の栄誉、グラミー賞で2013年の「テクニカル賞」に選ばれた電子楽器メーカーローランド(浜松市北区)の創業者梯郁太郎さん(82)は11日、浜松市で報道各社のインタビューに応じ「海外、国内からの反響の大きさに、いまさらながらびっくりしている」と喜びを語った。

 メーカーを問わず、電子楽器の演奏情報をコンピューターや他の楽器にデジタル伝送できる世界共通規格「MIDI」の制定に貢献したことが評価された。社内に反対もあったが自社技術をオープンにし、規格統一のため他メーカーを説得した当時を「電子楽器が一般に普及するためにはスタンダードがないと駄目で、業界を広げるために大切なこと」と笑顔で振り返った。

 1983年に海外のメーカーとMIDIを発表し、その後世界標準となったことについて「グラミーに認められるまで30年かかったが、この月日で有用な道具と認められた」と胸を張った。

 仕事で浜松市を訪れ、インタビューに同席した作曲家の千住明さんは「エジソンが明かりをともしたのと同様、われわれに全く新しい形の音楽情報を与えた」と称賛した。

 梯さんは、2月に米ロサンゼルスで開かれる授賞式に参加するという。

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2013年1月11日のニュース