教会での反プーチン活動…ロシアの女性バンドに懲役2年

[ 2012年8月17日 23:20 ]

 ロシア正教の総本山の教会で今年2月、プーチン大統領を批判するパフォーマンスをした女性バンド「プッシー・ライオット(子猫の暴動)」のメンバー3人が逮捕・起訴された事件で、モスクワの地区裁判所は17日、3人にそれぞれ懲役2年の実刑判決を言い渡した。インタファクス通信によると、バンド側弁護士は「違法な判決」と批判、上訴すると述べた。

 同裁判所は、3人が「神を冒涜する歌で信者の宗教的感情を傷つけ、社会的秩序を乱した」と認定した。実刑判決により、プーチン政権の強権的姿勢に対する欧米の批判が一層高まりそうだ。検察側は懲役3年を求刑していた。

 在モスクワ米大使館は同日、短文投稿サイト、ツイッターで、行為と量刑が「不釣り合いだ」と批判した。

 3人は22~30歳の女性。首相だったプーチン氏が大統領復帰を決めた3月の大統領選を前にモスクワの救世主キリスト大寺院内で、覆面姿で「マリア様、プーチンを追い出して」などと歌い、「フーリガン(暴徒)行為」として拘束された。

 判決は3人の自由を2年剥奪するとの内容。この刑には労役が義務付けられているが、年齢や健康状態などを考慮し、例外的に労役が免除される場合もある。

 3月の逮捕から長期の未決勾留が続いた3人の処遇については、プーチン氏復帰に対するロシア社会の反発を背景に「政権批判への弾圧」などの声が高まり、政教分離や表現の自由をめぐる論争に発展、国際的に注目を集めた。

 3人の刑事責任追及については、プーチン政権に近い正教会幹部らが厳罰を求める一方、米人気歌手マドンナさんや元ビートルズのポール・マッカートニーさんらが3人への連帯を表明。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは「良心の囚人」として3人の釈放を求めた。(共同)

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2012年8月17日のニュース