被災地に黄色いハンカチ…山田監督が陸前高田に贈る

[ 2011年8月21日 19:47 ]

山田洋次監督(右)から贈られた「希望よ永遠に」と書かれたハンカチを手にする菅野啓佑さん

 東日本大震災の津波で見渡す限りの集落が失われた岩手県陸前高田市の空に、復興を願う黄色いハンカチが翻った。映画「幸福の黄色いハンカチ」の山田洋次監督(79)らが21日、同映画のファン菅野啓佑さん(69)の自宅跡にハンカチを掲げる丸太の柱を寄贈した。

 津波で自宅を失った菅野さんは震災後、流れ着いた廃材を組み「幸せがくるように」と自宅跡にハンカチを掲げてきた。これに感銘を受けた監督は、その隣に映画と同様の丸太を立てることを提案。地元の被災者らと共に、高さ約6メートルの柱のてっぺんから斜めに張ったロープにハンカチ38枚を掲げた。

 山田監督が「この映画をつくって良かった」と感激し、「希望よ永遠に」と書いた記念のハンカチを渡すと、菅野さんは「感動というほかない。黄色いハンカチは、私たちに元気をくれる元気印です」と笑顔を見せた。

 その後「幸福の―」を近くの施設で上映。高倉健さん主演で1977年に公開された同映画は、自宅へ帰ってくる男を妻がハンカチを掲げて迎える場面が感動を呼んだ。

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2011年8月21日のニュース