三陸復活の思い乗せ“杉さま電車”走る!

[ 2011年6月30日 06:00 ]

三陸鉄道の災害復興支援車両の横に立つ(左から)杉良太郎、伍代夏子、山本譲二、瀬川瑛子、清水宏保

 俳優の杉良太郎(66)、妻で歌手の伍代夏子(49)らが29日、岩手県宮古市を訪れ、東日本大震災復興支援イベントに参加した。これまでさまざまなボランティア活動を行ってきた杉は、観光復活のために地元の三陸鉄道に「杉さま電車」を走らせることに強い意欲を示した。

 4月に宮城、福島両県で大規模な炊き出しを行うなど被災地支援に尽力してきた杉。新たな復興支援策として浮上しているのが三陸鉄道のネーミングライツ制度を利用した“杉さま列車”だ。

 関係者によると、車両の命名権は年間30万円。車両先頭にペイントなどのマークを施すには月10万円の費用がかかるという。この日のイベントで宮古駅の1日駅長を務めた杉は「詳しく話を聞きたい。もちろん前向きに考える」とさわやかな笑顔で語った。

 同鉄道は震災で線路が寸断。全長108キロの3分の1の区間しか運行できない状況が現在も続く。3年後の4月を予定している全線復旧までに100億円以上がかかる見込みで同鉄道の関係者は「経営はとにかく苦しい」と危機的な状況を吐露する。実現すれば、鉄道の新たな名物となることはもちろん、抜群の知名度による観光客の誘致など利用者増加も見込めるだけに、同関係者は「大歓迎です」と期待を寄せた。

 この日は杉さま目当てに1984年の同駅開業以来最多となる約3000人が押し寄せた。「震災以降続いている自粛ムードはよくない。人も金も流れをよくしないとダメだ」と杉が演じた「遠山の金さん」ばりの歯切れのいい啖呵(たんか)には、万雷の拍手が送られた。

 宮古駅に飾られていた七夕の短冊には「一日も早くみんなの笑顔が戻りますように」と書かれていた。被災者の思いを乗せた“杉さま列車”が走る日をみんなが待ちわびている。

 ≪瀬川瑛子、山本譲二らも出席≫この日のイベントは、震災で壊滅的な被害を受けた三陸鉄道を応援する「頑張ろう三鉄の集い」として開催。後援の国土交通省から依頼を受けた杉の呼びかけで歌手の瀬川瑛子(62)山本譲二(61)と98年長野五輪男子スピードスケート金メダリストでスポーツコメンテーターの清水宏保氏(37)が出席。山本は「レールをつなげよう、街をつなげよう」とエールを送った。

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2011年6月30日のニュース