海老蔵&麻央“愛の巣”で再聴取、決着越年も

[ 2010年12月10日 06:00 ]

大勢の報道陣が集まった市川海老蔵の自宅前

 歌舞伎俳優の市川海老蔵(33)が殴られて大ケガをした事件で、警視庁は9日、東京・目黒区の海老蔵の自宅で再び事情聴取した。7日の記者会見での説明と事件当初の聴取内容に食い違いがあったことなどを再確認したとみられる。傷害容疑で逮捕状が出ている男(26)は、先輩で元不良グループリーダーの男性(28)と今週中に同時出頭する意向。ただ、双方の主張には大きな相違があり“越年決着”の可能性まで出てきた。

 今年4月に海老蔵と妻でフリーキャスターの小林麻央(28)が新婚生活をスタートさせてから8カ月。建物の色合いから“ピンク御殿”と呼ばれている、そんな甘い愛の巣に警視庁の捜査員が入っていった。
 午後1時31分、白いマスクで顔を隠したスーツ姿の捜査員2人が現れた。約40人の報道陣の問いかけに一切答えず、テレビカメラの放列を無言でかきわける物々しい雰囲気の中、インターホンを押して玄関から入った。
 自宅には海老蔵のほか、仕事がオフだった麻央もいた。捜査員が出てきたのは約2時間後の午後3時25分。その際も無言だった。
 捜査関係者によると、この日の主な目的は(1)事件現場のカラオケバー関係者が保管していた海老蔵の携帯電話、自宅の鍵などを返却し、異常がないかの確認(2)当初の聴取内容と記者会見での説明に食い違いがあることの確認とその理由(3)新たに事件に関することで思い出したことがあるかの確認――の3つ。中でも(2)の事情について詳しく聴いたとみられる。
 当初、海老蔵は警視庁に「知人の知人に殴られた」と説明。その相手も「黒人とのハーフに見えた」と1人の男の風貌に特定していた。
 それが7日の会見では「どなたも面識はありません」と言い、相手についても「何人かに殴られた可能性がある」と当初と異なる説明になった。警視庁では、事件直後は混乱し、飲酒の影響で記憶があいまいだった可能性もあることから、あらためて当時の状況を聴く必要があると判断した。警視庁は今後も海老蔵に対する事情聴取を行う方針だ。
 東京地検元公安部長の若狭勝弁護士は、海老蔵が会見で発言した「何人かの男に殴られた」に注目。「複数に殴られたとなると、捜査では共謀、共犯関係を確定させなければならない。また結局、誰が陥没骨折をさせたのかも特定しないといけなくなる」と、捜査の難しさを指摘した。
 男らは「今週中に出頭したい」と周囲に話しており、近く“同じ土俵”に立つことになる。元リーダーが海老蔵に対する被害届を出せばさらに事態が混迷するのは必至。水面下での両者の示談交渉も含め、決着が長期化する可能性も出てきた。

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2010年12月10日のニュース