星野さん妻に贈る詩 チータ弔辞で涙の朗読

[ 2010年11月20日 06:00 ]

<星野哲郎さん告別式>弔辞を読む水前寺清子

 15日に心不全のため85歳で亡くなった作詞家、星野哲郎(ほしの・てつろう、本名有近哲郎=ありちか・てつろう)さんの葬儀・告別式が19日、東京都港区の青山葬儀所で営まれた。「オレのもしもの時に読んでくれ」と残した詩「かすみそうの歌」を、愛弟子の歌手水前寺清子(65)が朗読すると、歌手都はるみ(62)ら参列した800人はこらえきれず涙を流した。

 朗読された詩は94年に亡くなった妻の朱實(あけみ)さんをかすみそうにたとえて「再婚しようよ 天国で」と呼びかけるもの。手紙とともに水前寺の自宅に届けられたのは08年初めごろ。星野さんが体を悪くする直前のことだった。

 妻への思いはもちろん迫り来る運命を察知していたかのようにも思える内容。手紙には「これなら君、歌ってくれるだろう」と書き添えられていた。「悲しくって、とても歌えませんでした」と水前寺。以来、詩は自宅の仏壇に供えられたままとなっていた。

 「歌うのはイヤ」と言う水前寺に、星野さんは「いいよ、チータ。もしもオレに何かあったときには、この詩を皆さんに読んでやってくれよな」と話したという。「先生との約束を守りたいと思います」と、気丈に“遺言”を読み終えると、せきを切ったように落涙。「大好きな奥さまと素晴らしい再婚をされますよう、みんなが願っております」と、肩を震わせてむせび泣いた。

 縁ときずな、仁義を重んじ「情の作家」と呼ばれた人となりを象徴する温かな詩。泣き声は会場全体に広がった。新人時代の64年、星野さん作詞の「アンコ椿は恋の花」で飛躍した都は「きょうは絶対、泣くのをやめようと思って来ました」と気丈に語りつつも、時がたつにつれ目には光るものが。出棺の際は「ありがとう」と絶叫し大粒の涙をこぼした。

 08年に自殺した事実上のパートナーで音楽プロデューサーの中村一好氏や、ヒット曲「大阪しぐれ」の作詞者で今年5月に死去した吉岡治さんら、ここ数年ゆかりの音楽人を多く亡くしている都は「それだけ私も年をとった、ということ」と切ない表情を見せた。

◆「かすみそうの歌」

あけみちゃんてば あけみちゃん
再婚しようよ 天国で
僕は天国を 追われた男
そのワケ 君は 知っている
君の差し出す 白い手が
僅(わず)か五センチ アワワワ 届かない 届かない

あけみちゃんたら かすみそう
再婚しようよ 天国で
僕は天国を 追われた男
住まいは地獄の三丁目
君の差し出す 白い手が
僅か三ミリ アワワワ 届かない 届かない

かすみそうをば しきつめて
再婚しようよ 天国で
僕は天国を 追われた男
住まいは地獄の一丁目
君の差し出す 白い手が
僅か一ミリ アワワワ 届かない 届かない

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