美空ひばりさん没後20年…二千人が献花

[ 2009年6月25日 06:00 ]

20回忌を迎えた美空ひばりさんを忍んで、献花する女性

 美空ひばりさんの没後20年にあたる24日、京都市右京区の「京都嵐山 美空ひばり座」では献花式が行われた。平日にもかかわらず全国から約2000人のファンが訪れ、それぞれが思い出に浸った。館内では昨年12月に死去した遠藤実さん(享年76)らゆかりの深かった作詞家、作曲家の提供曲も流れ、在りし日のひばりさんをしのんだ。

日めくり芸能界 89年6月24日 美空ひばり、52歳で逝く

 同館はこの日、「飛翔20年 美空ひばり林檎(りんご)忌麦の日」として終日、献花式が行われ、記帳台も設けた。ひばりさんの命日は、ヒット曲「りんご追分」から「林檎忌」、かつてヒバリが麦畑をすみかとしたことから「麦の日」として命名されている。
 開館の午前9時半から閉館の午後4時までの間、約2000人が平和への願いを込めてピースローズを献花。同館の統括責任者、城間桂蔵さんは「今年は節目の年とあって昨年の倍近くのファンがいらっしゃいました」と話した。
 昭和30年代に京都のひばりさん邸で3年間働いたという女性は「ひばりさんのことを“お嬢さん”と呼んで姉妹のようにしていました。当時の人が今でもこういう時には顔を出すので、同窓会ですね」と感慨深げ。岡山県倉敷市の曽根由紀子さん(68)は「同じ時代を生きてきたから(ひばりさんは)青春。心の中で生きています」と話した。
 ひばりさんは52歳の若さでこの世を去った。あれから20年、ゆかりの作詞家、作曲家も後を追うように他界。館内ではこの日から遠藤さんをはじめ、先月亡くなった作曲家の三木たかしさん(享年64)と作詞家の石本美由起さん(享年85)の追悼シアターも開設。「雑草の歌」や「人生一路」など、3氏がひばりさんに提供した曲を流し、譜面やレコードなどが展示された。来月23日まで続けられる予定だ。
 長男でひばりプロダクション社長の加藤和也氏(37)は「日に日に美空ひばりという歌手の偉大さを感じています。20年という長い月日がたっても、こうやってファンと信頼関係が築けているのは歌手みょうりに尽きると思います」と感激していた。

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2009年6月25日のニュース