涙ぬぐい、謝罪…小室被告「あのころに戻りたい」

[ 2009年4月23日 13:17 ]

第3回公判を終え、大阪地裁を出る小室哲哉被告

 ヒット曲を連発した1990年代、いつも明るかった髪の色はすっかり黒くなっていた。「あのころに戻りたい」。23日、大阪地裁で3回目の公判に臨んだ小室哲哉被告(50)。被害者の投資家の言葉に涙をぬぐい、謝罪した。

 1月の初公判ではジャケットにセーターというラフな格好だったが、この日は黒い細身のスーツにネクタイ姿。
 被告本人への質問を前に、裁判長に着席を促されたが、「立っていた方がよい」と断った。被害者への謝罪をぼそぼそと何度も繰り返す。ヒット曲が出ず、収入が減ったことを「良い音楽を作ろうという純粋な心が失われ、音楽制作が仕事になった」と振り返った。
 派手な生活を改善し、仕事に専念しようと思わなかったかと問われると、「何度も思った。でも契約や債務が自分の度量を超えてもがいていた。気持ちばかりが焦っていた」と心情を吐露。
 今後については「デビュー前、コーヒー1杯で音楽について語り合った。あのころに早く戻りたい」「一から出直して純粋な音楽家に戻りたい」と突然、語気を強めた。
 本人への質問に先立ち、3月末に郵送したが返送された謝罪文を、裁判長の指示で読み上げた。何度も言葉に詰まりながら「大きな過ちを犯した。反省の気持ちでいっぱい」と語った。
 一時休廷後、証言台と傍聴席の間についたてが置かれて始まった被害者の尋問。「捨て猫のようだった被告を助けたかった」と話した被害者を前に、小室被告は奥歯をかみしめ、2度涙をぬぐった。
 最後には裁判長の勧めで小室被告が被害者に歩み寄り「大変なご迷惑をおかけしました」と直接謝罪した。

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2009年4月23日のニュース