ジェロが俳優デビュー 心優しいチンピラ役

[ 2009年1月16日 06:00 ]

ジェロの役者デビュー作となった映画「鈍獣」のワンシーン。見学者に新曲キャンペーンと勘違いされた

 黒人演歌歌手のジェロ(27)が俳優デビューする。宮藤官九郎(38)脚本の映画「鈍獣(どんじゅう)」(監督細野ひで晃、5月公開)で、心優しいとぼけたチンピラ役。撮影を終えた細野監督は「役者としての勘が抜群。また別の作品でご一緒したい」と大絶賛。昨年の日本レコード大賞で最優秀新人賞に輝いたジェロ。今年は映画で新人賞を総ナメ!?

 「鈍獣」は、宮藤が05年に演劇界の芥川賞といわれる岸田国士戯曲賞を受賞した舞台の映画化。
 ホストクラブを舞台に失そうした小説家をめぐる人間模様を描いたファンタジックなミステリー。主演の浅野忠信(35)をはじめ、北村一輝(39)、真木よう子(26)、ユースケ・サンタマリア(37)ら個性派ぞろいの出演陣が話題だ。
 ジェロに依頼があったのは昨年夏。新人歌手として全国キャンペーン中で「突然のお誘いにびっくりしたが、とてもユニークな物語と出演者なのでそこにジェロが入った時にどのように映るのか、挑戦してみたいと思った」(所属事務所)。
 役柄は、北村演じる怪しいホストの舎弟・明(あきら)。定職を持たないチンピラのため、劇中ではラーメン屋の岡持ちを運んでいたり、書店で本を売ったり、訪問販売もするなどさまざまな姿で登場する。いわば「男はつらいよ」の佐藤蛾次郎(64)のような、作品にスパイスと笑いをもたらす役どころだ。
 撮影を終え、細野監督は「ジェロさんがこの奇妙な世界に出てくれたらどんなに面白くなるんだろうと思いオファーしました。現場でのジェロさんは礼儀正しく、役者としての勘も良く、撮影を重ねるたびにチャーミングな部分が出てきた」と絶賛。曽根祥子プロデューサーも「コメディーセンスがある。今後、オファーが殺到すると思う」と役者としても成功すると太鼓判を押している。
 映画では挿入歌「流浪の街」も歌っており、同曲は2月25日発売の初アルバム「約束」に収録する。ジェロは「お恥ずかしい!」と言いながらも「まあまあですかねえ?」とまんざらでもない様子だった。

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2009年1月16日のニュース