カウス襲撃犯はボタン?「バット返してや~」

[ 2009年1月13日 06:00 ]

警備員と思われる男性が後方から目を光らす中、劇場を出る際に車の前に出て報道陣に向かって軽くおじぎをする中田カウス

 9日夜に金属バットを持った男に襲われ、10日から舞台を休演していた漫才師「中田カウス・ボタン」の中田カウス(59)=本名・野間勝道=が12日、大阪市の「なんばグランド花月(NGK)」の舞台で仕事を再開した。警備会社の車が送迎するなど、厳戒態勢での復帰となったが、舞台では事件をネタに観客の笑いを誘った。

 舞台は事件当日以来で3日ぶり。冒頭で「こうして元気に出演させていただいて」とあいさつすると、ファンは「待ってました!」「お帰り~」という声援と拍手で出迎えた。
 カウスは早速、事件に触れ「物騒な世の中になりまして…」と語り「犯人が分かりました。相方のボタンです」とボケをかました。さらに「もしくはギャラアップを要求したんで、(犯人は所属する吉本興業の)社長かも」と続けた。
 恐怖の体験もネタにして余裕の表情。相方の中田ボタン(60)も容疑者になりきり「(犯行現場に置いていった)バット返してや」と返して観客を笑わせた。
 9日夜にNGKで公演後、200メートル離れた路上で自家用車の助手席に乗車中に襲われ、頭部や顔のケガで2週間の療養が必要と診断された。吉本興業によると、当初は12日まで休演予定だったが「舞台に出る方が元気になるから」とする本人の意向で前日(11日)夜に急きょ1日3回公演が決まった。
 腰にまだ少し痛みが残っているというが、顔や頭部には目立つ外傷もなく、舞台では「死ぬまで漫才やりますから」「また来てな。また新しいニュース作るし」とプロ根性を発揮。1回目終了後には事務所を通じて「待っていてくださったお客さんの反応がうれしかった。心配をおかけして申し訳ありません」とのコメントを出した。
 ただ、犯人の男は逃走中で事件は未解決。カウスの周囲には依然ピリピリムードが漂っている。愛車のベンツは事件によって修理中。劇場入りの際は、セカンドカーやタクシーではなく、警備会社の車を使った。
 犯人の心当たりについてはこの日も「全くない」と話したといい、大阪府警も「依然捜査中」としている。

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2009年1月13日のニュース