川内康範さん死去 どうなる「おふくろさん」

[ 2008年4月7日 17:03 ]

88歳で死去した河内康範氏さん(昨年8月撮影)

 テレビ創成期の人気番組「月光仮面」の原作者で、「おふくろさん」などの作詞でも知られる作家の川内康範(かわうち・こうはん)さんが6日午前4時50分ごろ、青森県八戸市の病院で死去した。88歳。北海道出身。葬儀・告別式の日取り、喪主は未定。

 川内さんは数日前に肺炎を患い、入院して療養していた。
 さまざまな職業を経て、1958年に放送が始まった「月光仮面」の原作で売れっ子となり、「愛の戦士レインボーマン」「まんが日本昔ばなし」などテレビ番組、映画を手掛けた。作詞家としても活躍。主な作品に、松尾和子、和田弘とマヒナ・スターズが歌って第2回日本レコード大賞を受賞した「誰よりも君を愛す」(60年)ほか、「伊勢佐木町ブルース」(68年)などがある。作家としても数多くの小説を残した。
 84年には、グリコ・森永事件の犯人グループ「かいじん21面相」に「1億2000万円プレゼントするからもう手を引け」と呼びかけたところ、「わしらも 月光仮面 見たで おもろかった」という返事の手紙を送られ、話題になった。
 2007年には、歌手森進一さんが「おふくろさん」の歌詞に語りを加えていたことを理由に「もう歌わせない」と表明。森さんが謝罪を申し入れる騒ぎになった。
 国民新党の亀井静香代表代行が同年の参院選用のテレビCMで、川内さんが作詞、作曲した「おかあさん」を熱唱した。
 1992年に勲四等瑞宝章を受章した。

 ≪未解決のまま…≫川内さんは、昨年来、歌手・森進一と名曲「おふくろさん」の歌唱問題で確執が続いており、未解決のままになっている。川内さんは、森が曲を一方的に改変して歌ったとして歌唱を禁止、森は謝罪と話し合いのため青森まで足を運んだが、面会できなかった。
 川内さんが亡くなったことで、問題は解消されるかどうかは不透明だ。川内さんの権利(死後50年)の著作権上の権利の継承者が設定され、遺志を継ぐということになれば、歌えない状態が続く。
 生前の和解が必要だったが、川内さんの急逝によってむしろ逆に「おふくろさん」が、生歌では「二度と聴けない」という事態が懸念される。

 ▼放送評論家・志賀信夫さんの話 「月光仮面」の批評を書いたときに、東京・赤坂のホテルに呼び出されたことがある。「日本人の魂を忘れちゃいかん」などと説教され、おっかない人だなと思った。戦後日本がアメリカナイズされた時に、日本人の誇りを持たせようとしたという意味では、役割は大きかった。著作に対する愛情が強く、正義とは何か、愛とは何かというメッセージを作品に盛り込み、正義と悪をきちっと分けていた。今のように多様な価値観を持つ時代には、川内さんのように白黒はっきりするということは必要なのではないか。

 ▼音楽評論家・伊藤強さんの話 「月光仮面は誰でしょう」から始まり、最終的に「おふくろさん」をめぐる森進一さんとのトラブルに至ったが、作詞家としての川内康範さんはもっと評価されてよかった。川内さん自身はこわもてで知られたが、ヒット曲「誰よりも君を愛す」に漂うロマンチシズムなど、歌詞には優しさが感じられた。音楽とは関係ないところで話題になることが少なくなく、作品自体の魅力が隠れてしまったことが残念でならない。

 ◆川内康範さんが作詞した主な作品
 1958年 月光仮面は誰でしょう
60年 誰よりも君を愛す
66年 骨まで愛して
67年 君こそわが命
68年 伊勢佐木町ブルース
同 花と蝶
71年 おふくろさん
75年 にっぽん昔ばなし

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