地味に発表…デップが主演男優賞

[ 2008年1月15日 06:00 ]

 アカデミー賞の前哨戦となる米映画賞「第65回ゴールデン・グローブ賞」の各賞が13日、米ロサンゼルスで発表された。例年、華やかな授賞式が行われてきたが、今年は米脚本家組合(WGA)のストの影響で、記者会見方式で各賞が発表され、異例の地味なセレモニーに。人気俳優ジョニー・デップ(44)が主演男優賞で初戴冠となった。

 会場のビバリー・ヒルトンホテルには、レッドカーペットも用意されず、65年の歴史で最も華のない発表となった。
 会見は小さなスクリーンを使って行われ、キャスターが淡々と各賞を発表。通常の3分の1にも満たない約1時間で終了した。
 終了後にロス各地で行われる映画会社らによる豪華パーティーもほとんどが中止。ロイター通信によると、同賞が周辺にもたらす経済効果は当初7000万~8000万ドル(約77億~88億円)とみられたが、それもフイに。会場周辺には、プラカードを持ち報酬増を訴える組合員らの姿が多く見られた。
 例年は、ノミネートされたスターらが出席し、テレビが約3時間半にわたり生中継。約2000万人が視聴するとされ、今回、放送権を持つNBCテレビの広告収入は約2000万ドル(約22億円)と見られていた。
 しかし、WGAが11月から続けているストに多くの俳優が同調、式典を欠席する意向を早々と表明。主催するハリウッド外国人記者協会は、記者会見による各賞発表への変更を余儀なくされた。
 そんな中で発表された各賞では、「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」(ティム・バートン監督、19日公開)に主演したデップが、ミュージカル・コメディー部門の主演男優賞を獲得。デップは5年連続、8度目のノミネートで初の受賞となった。
 デップは来月24日に授賞式が予定されている第80回アカデミー賞でも、主演男優賞の有力候補と目されている。しかし、ストは長期化も見込まれ、同賞の授賞式への影響が懸念されている。80回の節目を迎える米映画界最大の祭典も、何らかの措置をとる必要に迫られそうだ。

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2008年1月15日のニュース