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初黒星で土下座…那須川天心「悔しい。ただ悔いはない。これも人生」 格闘技人生55戦目、拓真に判定負け

[ 2025年11月25日 05:30 ]

WBC世界バンタム級王座決定戦12回戦   ●那須川天心 判定 井上拓真○ ( 2025年11月24日    トヨタアリーナ東京 )

判定負けを喫して土下座する那須川(撮影・島崎 忠彦)
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 “神童”が負けた。プロボクシングデビューから7戦全勝だったWBC世界バンタム級1位の那須川天心(27=帝拳)が、元WBA世界同級王者でWBC同級2位の井上拓真(29=大橋)に0―3判定で敗れ、世界王座奪取を逃した。8戦目での世界初挑戦での戴冠はならず、格闘技54戦無敗の男が初の黒星を喫した。試合後は現役続行を明言し、拓真へのリベンジに向けて再出発を誓った。

 転向8戦目での挑戦は早かったのか。世界初挑戦の“神童”に厳しい現実が待っていた。試合終了のゴングが鳴ると判定結果がアナウンスされる前に那須川は潔く敗戦を受け入れるように相手陣営の元へ。勝者の名前がコールされると悔しさを押し殺すように拍手で相手を称えた。

 「正直悔しいし、気分的にも上がらない。ただ悔いはない。これも人生。みんなの前で恥をさらすのもかっこいいじゃないですか。一生懸命生きてるやつしかそういうことできない」とすがすがしい表情を浮かべた。

 開始ゴング直後は変幻自在だった。初回終了間際に左オーバーハンドを浴びせると、ノーガード気味にした2回には左アッパーからの右フックをクリーンヒット。大舞台を楽しむかのように、次々とビッグパンチを当てた。ただ3回以降はプレスをかけてくる相手の前に徐々に手数も減少。「全体的に上手だった。本当に勝ちに来ていた。経験の差と言ったらかっこよくないが、そこでやっぱ自分がいけなかった」。12回は足を止めて打ち合い、逆転KOを狙いにいったがポイントを巻き返すことはできず採点はジャッジ1人が6点差をつける“完敗”。試合後はリングの四方に土下座で謝罪した。

 試合前には「自分の幽霊を見せる」「スーパーゴーストカミカゼアタックを出す」などと珍発言を連発。独特のスタイルを追求するため、ドジャースの山本由伸投手と同じ矢田トレーナーに師事し「BCトレーニング」で動きの効率性を高めるなど、ボクシング転向から約2年半で世界戦仕様の新スタイルをつくり上げたが、世界戦7戦目の元世界王者に“世界レベル”を見せつけられた。「僕の中の世界戦は12ラウンドやって傷だらけになるイメージだったが、傷も効いたところもない。ちょっと傷つけてくれた方がよかったのにな」と冗談めかして強がった。

 会見の最後には笑顔で現役続行を宣言。「負けてやめますみたいな、ダサいじゃないですか。やり続けますよ。やり返します。必ず」。最後まで天心節を響かせ、力強く再スタートを宣言した。

 ◇那須川 天心(なすかわ・てんしん)1998年(平10)8月18日生まれ、千葉県松戸市出身の27歳。5歳で極真空手を始め、小6で転向したキックボクシングではRISEでバンタム、フェザー級の2階級制覇など42戦全勝(28KO)。23年4月のボクシングデビュー戦で6回判定勝ち。昨年10月には10回判定勝ちでWBOアジア・パシフィック・バンタム級王座を獲得。身長1メートル65、リーチ1メートル76の左ボクサーファイター。

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