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ドネアと一問一答 尚弥戦へ「全てを変えてきた」「全面戦争の準備もできている」「自分が征服者だ」

[ 2022年5月31日 17:42 ]

ボクシング・世界バンタム級3団体王座統一戦   WBAスーパー&IBF&WBO王者・井上 尚弥(29=大橋)22勝19KO <12回戦> WBC王者ノニト・ドネア(39=フィリピン)42勝28KO6敗 ( 2022年6月7日    さいたまスーパーアリーナ )

サンドバッグを叩くドネア(帝拳ジム提供)
Photo By 提供写真

 井上尚弥と2年7カ月ぶりの再戦に臨むWBC世界バンタム級王者ノニト・ドネアが31日、都内のジムで代表取材に対して練習を公開した。ドネアとの一問一答は以下のとおり。

 ――今のコンディション、減量はどうか。

 「全て最高です。とてもワクワクしている。減量も、コンディションも今までにないほど良い」

 ――前回は11月と冬の対決。今回は30度近い夏日が続く日本だが。

 「時差、天候なども問題ない。しっかりと調整できている。試合のために来ているのだから、外が雪であろうと何であろうと問題ないさ」

 ――井上戦後から練習メニューや食事、コンディショニングの変化はあるか。その成果があれば。

 「もっと強くなるために全てを変えてきた。食事、トレーニング内容、自分自身のものごとの捉え方・思考すべてだ。一番変わったのは自分の内面。自信を持ってこの試合に向けた準備ができた。今は勝ちたいという欲望が大きい」

 ――これまでと違うドネアを見せると話した。何が違うのか。これまで5階級を制覇したが、過去よりも強くなっているとも話していた。

 「あの試合から、より強くなったと思う。前回の井上戦は、自分の欲を見つけるような試合になった。今は新しい欲が生まれ、これまで以上に燃えている。今の方が人間的にも良く、より強いボクサーになっている」

 ――前回は左ボディーのダウンが勝敗を分けたと言える。今回、ボディーをもらわない自信はあるか。もらわないために戦い方を変えたりしているのか。

 「あらゆる面で自信があるし、それだけのトレーニングをしてきた。戦略的にも肉体的にも自信があり、全面戦争する準備もできている」

 ――試合の鍵は何か。

 「準備したこと全てと、私のこれまでの経験、今の自信全てを使って戦う。それが勝利への鍵になる」

 ――来日後(一日)10ラウンドのスパーをしたと聞いている。試合が近い時期としては多いように見えるが、いつも試合まで、それぐらいのラウンド数をこなすのか。

 「10ラウンドのスパーをやりました。それは普通かな。(レイチェル夫人から“もっとやったよ”と指摘)。今週は18~20ラウンドぐらいしたかもしれない。試合の1週間前と考えたら、いたって普通のことだ。2週間前だとまた違う。試合にピークを持っていくための準備はできている」

 ――前回戦った後の井上の3試合を見て、井上の進化や成長を感じるか。

 「井上の変化は感じているが、自分の変化の方が大きい」

 ――井上は今後、スーパーバンタム級で戦う可能性がある。彼はスーパーバンタム級でも今の強さを維持できると思うか。

 「彼がしっかり準備すれば、常に可能性はある。自分も複数階級を制覇しているし、それは彼もできるのではないかと思う」

 ――今回のグローブ、シューズ、ガウンなどのコンセプトはあるか。

 「いつも通りオレンジとブルーでいく。このカラーはドラゴンボールの悟空みたいだと言われる。自分もドラゴンボールが大好きだからいいけれど。本当は自分を表現する“チャクラの色”ということでこのカラーを使っている。ブルーは自分の声、オレンジは自分を表現するという意味。それでこの2色なんだけれど。ハァー! ハァー! スーパーサイヤ人になるよ(笑い)」

 ――今回の試合前、夫人や子供たちに言われたことは。交わした約束はあるか。

 「1つだけだ。勝利するよ、と。過去は振り返られない。この試合に向かっている」

 ――39歳ながら勝てば4団体統一が見えると思う。それは目標になっているのか。

 「4団体統一が目的であり、目標であり、モチベーションになっている、井上との試合でベルトを全部自分のものにしたい」
 ――井上は“今回はドラマのようにしない”と言っている。井上に向けてメッセージはあるか。

 「同じ思いさ」

 ――井上戦への意気込みを。

 「過去は振り返らないし、戻ることもない。いにしえの戦(いくさ)では、船で来襲して全てを掌握するという戦いもあったが、過去は意味をなさない。船は1隻残らず燃やされ、残るのは目的だけだった。生き残った者が全て制圧するんだ。今はそういう思考でいる。自分が征服者だ。リングで目の前にいる相手もそう見ている」

 ――日本のファンへメッセージを。

 「応援、どうもありがとうございます。この最高の試合を見逃さないでほしい。2人の戦士が魂を込めて全力で戦う。全てを懸けて戦う両者の闘志が見えるはずだ。みんなに喜んでもらえる試合になる」

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2022年5月31日のニュース