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村田VSゴロフキン 12・29開催で合意、米ESPN報道に「このまま進んでいってほしい」

[ 2021年10月29日 05:30 ]

村田諒太
Photo By スポニチ

 プロボクシングWBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太(35=帝拳)が12月29日にさいたまスーパーアリーナでIBF世界同級王者ゲンナジー・ゴロフキン(39=カザフスタン)と王座統一戦を行うことで両陣営が合意したと、米スポーツ専門局ESPN(電子版)が27日に報じた。来週にも正式発表されるとしている。関係者によると、会場については調整中だが、日本ボクシング史上最大級のビッグマッチの実現が近づいてきた。

 村田が熱望していたビッグマッチがついに現実となる。12年ロンドン五輪で金メダルを獲得し、17年10月にプロで世界王者となった村田が次に目指したのは、ゴロフキンや世界4階級制覇王者で現3団体統一スーパーミドル級王者のサウル・“カネロ”・アルバレス(メキシコ)らビッグネームとの対戦だった。新型コロナウイルスの世界的大流行の影響もあり、19年12月のスティーブン・バトラー(カナダ)戦以降、試合から遠ざかっていた村田だが、2年ぶりのリングでターゲットとしていた一人と拳を交えることになる。

 「GGG」の異名を持つゴロフキンは04年アテネ五輪ミドル級の銀メダリストで、10年8月にWBA世界ミドル級暫定王座を獲得。正規王者に認定されると、実に19度も防衛し、WBC、IBF王座も獲得して3団体統一王者となったスーパースター。18年9月にカネロに敗れ、王座から陥落したものの、19年10月にIBF王座に返り咲き。昨年12月に防衛戦を行っており、1年ぶりの試合だ。

 ESPNの報道を受け、村田は所属する帝拳ジムの公式サイトで「このまま報道通りに進んでいってほしいという気持ちです」と胸中を明かし、「こういうニュースが挙がれば気持ちも締まりますね」とコメント。スパーリングなど実戦練習にも意欲を示した。対するゴロフキンもSNSに練習動画とともに「常に集中、常に準備できている」と投稿した。

 当初は12月28日に神戸と報じられたが、日程、会場とも変更。関係者によると、会場については現在も調整中だが、ESPNの報道通り、2万人超を収容するさいたまスーパーアリーナとなれば、米ラスベガスなど海外で試合経験のある村田にとっても過去最大となる。12月までに大規模イベント参加人数の制限が緩和されるかどうかは不透明ながら、村田VSゴロフキンの激突にボクシングファンの盛り上がりも史上最大級となりそうだ。

 ▽さいたまスーパーアリーナでの世界戦 01年7月1日のWBA世界ライト級タイトルマッチ、畑山隆則VSロルシー(フランス)が初開催。19年11月7日のワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)バンタム級決勝の井上尚弥VSドネア(フィリピン)まで過去10興行。井上VSドネアは2万2000人、09年11月29日のWBC世界フライ級タイトルマッチ、亀田興毅VS内藤大助は2万1000人を集めた。

 【主な日本選手VS世界的スター選手】

 ☆ファイティング原田 “黄金のバンタム”と呼ばれた50戦無敗の世界王者エデル・ジョフレ(ブラジル)に65年5月18日、愛知県体育館で15回2―1判定勝ちして日本人初の2階級制覇達成。66年の再戦も判定勝ちで返り討ち。

 ☆鈴木石松 “石の拳”の異名を取ったWBAライト級王者ロベルト・デュラン(パナマ)に73年9月8日、パナマで10回KO負け。リングネームを「ガッツ石松」に変更して74年にWBC王座奪取。

 ☆ロイヤル小林 3階級制覇した“リングの貴公子”WBAフェザー級王者のアレクシス・アルゲリョ(ニカラグア)に75年10月12日、蔵前国技館で5回KO負け。

 ☆亀海喜寛 4階級制覇の“プエルトリコの英雄”ミゲル・コットに17年8月26日、米ロサンゼルスでのWBOスーパーウエルター級王座決定戦で12回0―3判定負け。

 ☆井上尚弥 5階級制覇の“フィリピンの閃光(せんこう)”ノニト・ドネアに19年11月7日、さいたまスーパーアリーナで12回3―0判定勝ち。ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)バンタム級優勝。

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