×

【浜田剛史の目】村田、4回を終え“効いた”と見るや強く打っていった対応力さすが

[ 2019年12月24日 08:30 ]

WBA世界ミドル級タイトルマッチ   〇王者・村田諒太 TKO5回2分45秒 同級8位スティーブン・バトラー● ( 2019年12月23日    横浜アリーナ )

5R、相手をロープに詰める村田(撮影・長久保 豊)
Photo By スポニチ

 足を使って距離を取る戦い方も予想されたバトラーが、まともに打ち合ってきた。村田にとってはやりやすかったが、予想外だったのはバトラーの右のパンチが強かったこと。村田の左ジャブに右をかぶせ、返しの左フックの前に右を入れてきた。そこで村田には、打ったら必ずガードを戻してブロックすることを意識させた。

 勝つためにはイチかバチかで打ち合わないといけない相手に対し、村田は焦って前半でKOを狙う必要はない。試合が長引いても、体力で勝る村田なら、疲れた相手を仕留めることができる。打ち合いの中でもブロックを意識しながら攻めるように修正し、4回を終えて“効いた”と見るや、打ち方を強めてTKOへ持っていった。これまでの世界戦で身につけた対応力が、この試合でも光ったと言える。

 以前の村田はビッグマッチを自ら希望していたが、今は目の前の試合に集中している。一つ一つしっかり勝てば、周囲がビッグマッチを実現させないといけないというムードになるのだ。ゴロフキンは強いが今の村田なら面白い試合になると思うし、戦える土俵にまで上がってきたことが素晴らしいと思う。(帝拳ジム代表、元WBC世界スーパーライト級王者)

 ▽村田―バトラー戦VTR 村田はガードを高く上げて、バトラーに圧力をかけた。1回こそほぼ互角だったが、ワンツーと右の連打で徐々にペースをつかみ、何度も相手をコーナーに押し込んだ。5回には右の強打を重ねてダメージを与え、最後は左のフックでマットに沈めた。バトラーはジャブを果敢に放った序盤の勢いを保てず、村田のパワーに屈した。

続きを表示

この記事のフォト

2019年12月24日のニュース