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井上尚弥が最強! 中谷と“世紀の12ラウンド”32戦無敗対決制し「まだまだ伝説をつくっていける」

[ 2026年5月3日 05:00 ]

世界スーパーバンタム級4団体タイトルマッチ12回戦   ○統一王者・井上尚弥 判定3―0 WBA1位・WBC1位・WBO1位・中谷潤人● ( 2026年5月2日    東京ドーム )

<世界統一スーパーバンタム級TM 井上尚弥・中谷潤人>8回、中谷(右)に(右)を見舞う井上 (撮影・島崎 忠彦)
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 世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(33=大橋)が前WBC&IBF統一世界バンタム級王者・中谷潤人(28=M・T)を3―0判定で下し、自身の持つ男子史上最多記録を更新する7度目の4団体王座同時防衛に成功した。32戦無敗同士の対決となった“世紀の一戦”を制し、歴代2位タイとなる世界戦通算28勝とした。モンスターが華麗な技術でビッグバンを寄せ付けず、東京ドームに詰めかけた5万5000人の大観衆の前で改めて最強を証明した。

 日本ボクシング史に残る、高い技術が詰まった12ラウンドが展開された。その一戦を卓越した技術で制したのは井上。死守した4本のベルトを肩にかけると「日本人パウンド・フォー・パウンド(PFP、全階級を通じた最強ランク)の下から上がってきた選手には負けられない気持ちは今までとは全く違う、重圧、雰囲気があった。勝ててホッとしている」と息をついた。

 2度目の東京ドーム決戦。前回見せた好戦的なスタイルではなく、この日は冷静だった。打ち終わりを狙った相手の左フックを上体をそらすディフェンス「スエー」で全て見切った。フェイントからの高速ステップインで身長、リーチ差で勝る相手の懐に一瞬で飛び込み、強烈な一打を何度もヒット。「勝ちに徹した」史上初の日本人同士の4団体統一戦で高度な駆け引きを制し「今日のこの勝ちに価値がある」。最後は笑顔で挑戦者と抱き合い健闘を称え合った。

 最強の自分を超えるため、最強の相手を指名した。約1年前の24年度年間優秀選手表彰式で中谷に対戦を呼びかけた。強い相手に勝つことでしか得られなくなった戦うモチベーション。「人生を懸けてここまでやってきた」と振り返る過去最高の調整で追い込んだ。

 “打倒・中谷”へ父・真吾トレーナーに代わり、17年12月から自身のミットを担当する太田光亮トレーナーとのコンビを一時解消。中谷対策のための1メートル86のサウスポー、12年ロンドン五輪代表・鈴木康弘トレーナーをメインにミット打ちを行い、コンビネーションを磨いた。“中谷なら井上を倒せる”という世間の声を一蹴。宣言通りに「格の違い」を見せつけた。

 昨年は異例の年間4試合をこなし、中谷戦も“内定”して怒濤(どとう)の1年半を過ごした。次戦は未定で「少しゆっくり休ませてください」と笑いながらも東京ドームで再び試合を行う意向を表明。「THE DAY~やがて、伝説と呼ばれる日」と銘打たれた興行。「今日が伝説の日になったかどうかは分からない」と笑いながら「今日がボクシング人生のゴールではない。まだまだ伝説をつくっていける」と宣言した。ともにファイトマネーは過去最高額の“世紀の一戦”で最強を証明。これからもファンに大きな夢を届けていく。

 ◇井上 尚弥(いのうえ・なおや)1993年(平5)4月10日生まれ、神奈川県座間市出身の33歳。新磯高(現・相模原弥栄高)で高校7冠。12年10月プロデビュー。14年4月に6戦目でWBC世界ライトフライ級王者、同12月に8戦目でWBO世界スーパーフライ級王者。18年5月、WBA世界バンタム級王者となり3階級制覇。22年12月にバンタム級4団体王座統一。23年7月にWBC、WBO世界スーパーバンタム級王座を獲得して4階級制覇。同12月に史上2人目となる2階級での4団体王座統一を達成。身長1メートル65、リーチ1メートル71の右ボクサーファイター。

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