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【浜田剛史の目】的確な攻め 3回後半からはほぼ田中のペース

[ 2019年3月17日 09:28 ]

WBO世界フライ級タイトルマッチ12回戦   〇王者・田中恒成 判定3―0 同級4位・田口良一● ( 2019年3月16日    岐阜メモリアルセンター )

<WBO世界フライ級タイトルマッチ>11R、田口良一(左)を連打で圧倒する田中恒成 (撮影・後藤 大輝)
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 3回後半からはほぼ田中のペースだった。3回に1発もらってぐらついたが、そこからボディーを返して一気に流れを変え、その後も多く打ったボディーが田口に効いていた。

 田口はパンチをブロックしながら前へ出て相手を消耗させるのが持ち味だが、田中はブロックの外や間からパンチを当てた。田口が上を固めればボディー、中央が空けばアッパーを入れ、ガードを閉めると横からフックと、動きを読んでの攻めが的確だった。田口が焦って出てくると外して打ち、先に手を出すのも田中、最後に打ったのも田中という印象を与え、試合をコントロールした。田口はダメージに空振りでの打ち疲れも加わり、体力を使い切って追い上げられなかった。

 田中は11回、足を止めて打ち合いダウンを奪いにいった。既に勝利は決定的だったが、リスクを冒しても倒しにいく姿勢は好感が持てるし、これから人気が出るのではないか。ボクシングの幅が広がり、2試合続けての日本人対決で経験を積んだ、いいチャンピオンになったと思う。(元WBC世界スーパーライト級王者)

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2019年3月17日のニュース