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拳四朗V4 ほわたぁ!多彩連打で3連続KO、世界にアピール

[ 2018年10月8日 05:30 ]

WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦   ○王者・拳四朗 TKO7回2分47秒 同級5位ミラン・メリンド(フィリピン)● ( 2018年10月7日    横浜アリーナ )

WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ 5R、メリンド(左)に右ストレートを見舞う拳四朗(撮影・島崎忠彦)
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 WBC世界ライトフライ級王者・拳四朗は3戦連続KO勝利で日本人の現役世界王者では最多となる4度目の防衛に成功した。6回に右ストレートをヒットさせ、メリンドの左目上をカット。7回2分47秒、レフェリーが試合を止め、TKO勝利となった。

 「一瞬、モヤっとしたけど、終わってみれば、早く終われてうれしいですね。焦ることなく、息も切れず、自分のペースを守ってやれた。自分のボクシングが完成したような気がします」

 “拳四朗スタイル”を確立させ、長期政権への足掛かりをつかんだ26歳の王者は、誇らしげに胸を張る。父の寺地永会長は「倒したいというのはあったけど、スタミナのある相手だし、切って終わらせる、というのも作戦の一つだった」と明かした。

 スピードのあるジャブで距離を支配し、右ストレート、ボディーと多彩なコンビネーションで相手を削った。右ボディーストレート一発で2回KO勝ちした5月のロペス戦の再現はならなかったが、バッティングで右目の上を痛めた以外は無傷。キレイな顔のまま、「一番の楽しみ」という祝勝会に参加する。

 「いつかメインで試合を」が父子の夢。そのために長期防衛を目標を掲げ、知名度アップにも努めてきた。120カ国以上に配信されたWBSSと同じリングでの一戦で、世界へ強さをアピール。拳四朗は「自信もついたし、5回、10回と防衛を重ねたい。具志堅さんの記録を抜けたら」と大きな夢を口にした。

 ▽拳四朗―メリンドVTR 拳四朗は細かく速い左ジャブと巧みな足さばきで完勝した。序盤はリードを丹念に突いて距離を測ることに成功。中盤に鋭い出入りで攻勢を強め、ワンツー、ボディーを的確に当てた。6回に打撃でメリンドの出血を誘い、7回にレフェリーが試合を止めた。メリンドは動きが鈍く迫力不足。王者の速さについていけず、自慢の強打を封じられた。

 ▽浜田剛史の目 ベテランのメリンドに何もさせなかった拳四朗の一方的な勝利だった。ポイントは距離の取り方のうまさ。4回までは大事に届く距離を守り、その後は攻撃に転じ3試合連続KO勝利に結びつけた。

 ◆拳四朗(けん・しろう)本名・寺地拳四朗。1992年(平4)1月6日生まれ、京都府城陽市出身の26歳。奈良朱雀高―関大でアマ74戦58勝(20KO)16敗。14年8月プロデビュー。15年10月にWBCユース・ライトフライ級王座、同年12月に日本同級王座、16年8月に東洋太平洋同級王座を獲得。17年5月、ガニガン・ロペス(メキシコ)に判定勝ちし、プロ10戦目でWBC世界同級王座獲得。身長1メートル64の右ボクサーファイター。

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