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【浜田剛史の目】ワンツーだけで決着 適正体重なら尚弥は無敵

[ 2018年10月8日 09:00 ]

ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ ▽バンタム級T1回戦&WBA世界バンタム級タイトルマッチ   ○王者・井上尚弥 KO1回1分10秒 同級4位フアンカルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)● ( 2018年10月7日    横浜アリーナ )

WBSSバンタム級1回戦・WBA世界バンタム級タイトルマッチ 初回KO勝ちを決め拳を突き上げる井上尚弥(撮影・白鳥 佳樹)
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 最初に出したワンツーの一撃で勝負をつけてしまった。パワーでねじ伏せた井上の快勝だった。

 ナチュラルウエートのバンタム級で戦ってきたパヤノには、元WBA世界同級スーパー王者らしい、キャリアを生かしたうまさ、駆け引きのずる賢さがあり、若い井上がそれにどう対応するだろうかと注目していた。しかし、バンタム級という適正体重を得た井上のパワーは凄い。威力を増してパヤノのうまさもずるさも持ち味を全て封じてしまった。

 滑り出し、パヤノには井上の距離が遠かった。揺さぶりをかけ、もう少し詰めようとしたときに伸びるワンツーが飛んできた。まさかあの距離で届くとは、とパヤノは思ったに違いない。パワフルなパンチ力というのは、一番の武器になるとつくづく感じる。

 精神面でも勝ち方を問われる重圧の中で、それを楽しんでいる様子がうかがえた。今が一番強いときと感じるし、今日の試合には100点満点をつけたい。今後に関しては、今の強さにさらに磨きをかけてもらいたいと思う。(元WBC世界スーパーライト級王者)

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