【高校野球7回制】仙台育英須江監督が小中高生500チーム超に独自アンケート調査「コロナの反省生かす」

[ 2026年5月8日 05:30 ]

仙台育英・須江監督

 高校野球で導入が検討されている7回制について、6月6日の意見交換会に出席する仙台育英(宮城)の須江航監督(43)が7日、本紙の独占取材に応じ、野球をする小、中、高校生らに独自アンケートを実施していることを明かした。既に500チーム超に調査を依頼し、7日現在で約300チームから回答があった。

 現役監督らが参加する7回制導入を議論する意見交換会は30日、6月6日の2度、開催される。須江監督は2度目に出席予定。大切な議論に臨むにあたり、指導者講習会で構築した人脈などを生かした調査を進めている。

 「私は賛成派でも反対派でもありません。高校野球は子供たちのためにある。だからこそ仙台育英の監督として意見交換会に出るつもりはなく、皆さんの代表として声をお伝えする役割として臨みたい。私が呼ばれた理由はそこにあります」と調査理由を説明した。

 アンケートの中身は高校野球の7回制導入に「賛成か、反対か」、「理由」など4項目。少年野球、中学の軟式野球部やシニア、高校など関係者を通じて500チーム以上に依頼した。既に300チーム以上の回答があり、賛成10%、反対は90%に達し「合同チームや近年1、2回戦で敗退している高校も反対が多いことに子供たちの意思と熱量を感じます」と語った。

 22年夏の甲子園で東北勢初優勝に導き、インタビューで発した「青春って、すごく密なので」は同年の新語・流行語大賞の選考委員特別賞を受賞。コロナ下で、満足のいく青春を送れなかった子供たちの共感を呼んだ。「7回制議論」では過去の“反省”を生かしたい思いがある。「コロナが拡大した時と一緒だと思うんです。いつも議論の中心に子供がいない。私たちはコロナから学んだはず。それが欠けていると思うので声を集めています。子供たちが“自分の人生は豊かだった”と思える未来を提供することが大人の役割」と語った。

 日本高野連が設置した「検討会議」は「28年度から7回制採用が望まれる」と結論づけた。最終報告書を熟読した須江監督は「なぜ提案されているか、十分理解しています。お話しした際には日本高野連の皆さんも頭と心を悩まされていると感じました。気持ちは同じであると思います」と理解も示す。その上で最重視するのが球児の思い。「もっともっと声を届けてほしい。子供たちの忖度(そんたく)のない意見を待っています」と“小さな声”を集め、意見交換会に臨む。(柳内 遼平)

▽賛成意見
 「公立校としては7回制の方が強豪私立校に勝機が出てくる」
 「7回制の方が先行して逃げ切れる」
▽反対意見
 「現役高校野球選手の自分たちに、もっと考えさせてほしい」
 「これから高校野球を目指す子供たちの声も聞いてほしい」
 「7回制導入についての周知ではなく、(他の方法がないか)再議論をしてほしい」

 ◇須江 航(すえ・わたる)1983年(昭58)4月9日生まれ、埼玉県出身の43歳。仙台育英では2年時から学生コーチで3年時に春夏の甲子園に出場。八戸大(現八戸学院大)でも学生コーチを務めた。06年から仙台育英の系列の秀光中の軟式野球部監督を務め、14年に全国大会優勝。18年1月から仙台育英の監督となり、22年夏に東北勢初の甲子園優勝。情報科教諭。

▽7回制導入議論
 日本高野連が昨年1年間かけて議論した「検討会議」では、熱中症対策などの観点から「28年度から7回制採用が望まれる」と結論づけた。ただ、日本高野連が加盟校を対象に実施したアンケートでは反対70・1%と現場からの反対意見も根強い。大阪市内で30日、6月6日の2度、「最終報告書」の内容について「意見交換会」が予定されている。

<意見交換会の出席者>
長島三奈(ファシリテーター=スポーツキャスター)
◎5月30日意見交換会
大坪慎一(鳥栖工監督)
川井圭司(同志社大政策学部教授)
木田圭重(京都府立医科大整形外科講師)
栗山英樹(日本ハムチーフ・ベースボール・オフィサー)
谷口真由美(法学者)西谷浩一(大阪桐蔭監督)
◎6月6日意見交換会
大石卓哉(掛川西監督)
大久保雅生(滋賀県高野連理事長)
小倉全由(日本高野連技術・振興委員)
琴浦義浩(舞鶴こども療育センター整形外科部長)
須江航(仙台育監督)
谷本歩実(JOC理事)

「大谷翔平」特集記事

「始球式」特集記事

野球の2026年5月8日のニュース