【内田雅也の追球】日米の違いと共通点

[ 2026年2月8日 08:00 ]

<阪神 宜野座キャンプ>シート打撃で、守備につくディベイニー(右)の前を走る木浪(撮影・椎名 航)
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 木浪聖也がやって来た。具志川組として練習を積み、シート打撃が行われる宜野座組に加わった。シートノックでは小幡竜平や新外国人キャム・ディベイニーとともに遊撃に入った。

 田口壮と一緒に見ていた。2002年、大リーグ・カージナルス入りした当時、ニューヨーク支局にいて、よく取材した。彼のセントルイスの自宅でマージャンをしたことを懐かしく思いだす。

 外野守備の名手として知られる田口ももとは遊撃手だった。ディベイニーのゴロ捕球の特徴や日米の練習方法の違いなどを話してくれた。似た話が内野守備の名手だった宮本慎也の著書『プロ視点の野球観戦術』(PHP新書)にあった。

 ハンドリングの練習をするとき、<メジャーでは両ヒザを地面について近距離から弾み際をキャッチする練習がメインです。日本の場合、ヒザをつけずに練習します>。そして大リーグでは<低く構えたグラブを弾み際に合わせて前に突き出すような形で捕ります>。ただ<腕ではなく、足やヒザを使ってグラブを前に出していくのが正しい捕球だといえる>。両手捕りとシングルハンドキャッチについても言及している。カギは足を使えるかどうかと読める。

 この日のシート打撃では、まさに日米捕球術の違いが見える打球が転がった。ディベイニーは百崎蒼生の三遊間寄りのゴロをやや後方に下がりながら逆シングルで捕球し、遠投で刺した。次いで小幡は中川勇斗の三遊間寄りのボテボテを前進チャージして強肩で刺した。ともにスタンドから拍手がわき上がった。

 木浪が守った時にゴロは飛ばなかったが「まず守り」と自覚している。打席では左前打、左中間二塁打と快打を連発した。自身を「奪っていく立場」とし「ガツガツいけるように、アピールできるようにやっている」。闘志が伝わってくる大声や快音だった。

 小幡もディベイニーも木浪も、守備や打撃で見せ場はあったわけだ。遊撃手は今年もまた激戦である。監督・藤川球児は「今日がすべてではなくて」と冷静にみている。勝負はまだまだ続く。

 日本でメジャーでマイナーで……激しい生存競争を知る田口は「最後はここですよ」と胸をたたいた。「日本でもメジャーでも変わりません」。そうか、やはりそうなのだ。 =敬称略=
 (編集委員)

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