「神奈川高校野球は人気」で終わらせない…聖地ハマスタで次世代の野球人を生む「神イベント」とは

[ 2026年2月2日 21:30 ]

高校野球で盛り上がる横浜スタジアムのスタンド
Photo By スポニチ

 【元公務員記者の目】2020年にスポニチに入社し、アマチュア野球を担当している記者の前職は地方公務員。福岡県福津市の教育委員会で3年間、スポーツ担当の仕事に励み、スポーツを「する・みる・ささえる」の活動を通して市民の生活向上を目指した。ウェブ連載「元公務員記者の目」ではアマチュア野球担当の記者が「ささえる」人々の活躍を伝える。(第1回 アマチュア野球担当キャップ・柳内 遼平)

 スポーツで地域を活性化させるためには地道な施策が大切。そして、人々に影響を及ぼせる「タレント」が動いてこそ、爆発的な効果を及ぼせることも事実だ。簡単に例えると、行政が小学生年代に向けて「運動しよう!」という旨のパンフレットを配布するより、大谷翔平がWBCで活躍する方がよほど運動に興味を持つ子どもたちは増える、というもの。行政時代、そのように考えていた私は昨年11月に行われたイベントに強く惹かれた。

 神奈川高野連は昨年11月29日に横浜スタジアムで「第6回野球であそぼうin横浜スタジアム」を開催した。同イベントの横浜スタジアムでの開催は初。例年より倍増となる1000人近い小学生以下の子どもたち、その保護者が訪れた。

 なぜ、高校野球のイベントでこれほどの人が集まるのか。

 秘密は高校野球ファンにとって、たまらないゲスト陣にあった。昨秋のドラフトでロッテから3位指名を受けた横浜・奥村頼人投手、同校で主将を務めた阿部葉太外野手、日本ハムから同4位指名を受けた日大藤沢の半田南十内野手、西武から育成4位指名を受けた川和の浜岡蒼太投手、ヤクルトから育成1位指名を受けた川崎総合科学の小宮悠瞳投手が一堂に会した。神奈川の高校野球を沸かせ、これからプロ野球に羽ばたく選手が集結していた。

 神奈川高校野球の聖地・横浜スタジアムで運動できることも魅力の1つだ。グラウンドではキャッチボール、ノック体験、ストラックアウトなどが行われ、子どもたちは思い切り体を動かした。神奈川県高野連の榊原秀樹専務理事は「毎回、楽しみにしてくださっている親子さんもいらっしゃいまして、当日も凄い盛り上がりでしたね。開門前から多くの参加者が並んでいました」と振り返った。

 神奈川における高校野球の熱気は全国でも屈指だ。夏の神奈川大会の決勝となれば横浜スタジアムが満員になり、秋季大会においても注目カードとなれば、保土ケ谷球場周辺に渋滞が発生するほどだ。ただ、榊原専務理事は、その人気が高校野球だけから生まれているものではないと断言する。
 
 「神奈川には野球の全てがそろっているんです。DeNAのプロ野球があり、ENEOSなどの社会人野球があり、大学野球があり、横浜や東海大相模の高校野球あり、中体連もあれば、ボーイズ、シニア、ヤング、ポニー、学童チーム…。凄い数のチームがあり、人々の身近に野球があるからこそだと思っています」

 単なる「神奈川高校野球は人気」で終わらせない。選手、学校に協力を求めて「野球であそぼう」を続けてきた。過去には藤嶺藤沢出身で、日本ハムに1位指名を受けたばかりの矢沢宏太(日体大)、東海大相模から日本ハム2位でプロ入りした藤田琉生らが参加し、次世代を担う子どもたちのスポーツへの関心を引き上げてきた。今年は横浜の織田翔希(2年)が今秋ドラフト1位候補として注目を集めており、ゲスト候補になりそうだ。

 「私が中学生の頃、高知商―PL学園の感動の名勝負をテレビで見まして“かっこいいな。絶対に高校野球をやるぞ”と思ったものです。高校でも野球をやりたいという思いを持ってもらうためにも大人ではなく、選手に教えてもらうことが大事だと思います。もう“今年はいつイベントをやるんですか”なんて問い合わせもありました」と榊原専務理事。野球、そしてスポーツに興味を抱く機会を創出する「神イベント」が神奈川にあった。

続きを表示

「大谷翔平」特集記事

「始球式」特集記事

野球の2026年2月2日のニュース