掛布雅之氏が忘れられない“最大のライバル”江川卓の剛速球「怒りだったらしいです」

[ 2025年12月29日 19:41 ]

掛布雅之氏
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 BSフジ「プロ野球 レジェン堂」(火曜後10・00)の年末特番「徳さん掛布さんの年忘れ言いたい放題2025」が28日午後7時から2時間SPで放送され、“ミスタータイガース”掛布雅之氏(70)が現役時代に数々の名勝負を演じた元巨人エースの江川卓氏(70)について語った。

 この日はこれまでゲスト出演したレジェンドたち47人の貴重なトークの中から番組スタッフとアシスタントの遠藤玲子アナウンサー(43)が厳選したものを「長嶋茂雄」「江川卓」などテーマごとにランキング形式にして放送。第1回ゲストの掛布氏が招かれ、番組MCを務める徳光和夫(84)も含めた3人でVTRを視聴し、その上で掛布氏に話してもらうという形となった。

 そのなかで現役時代の江川卓投手について現在のプロ野球でも通用するか聞かれると「通用します。メジャーでも通用すると思います」と断言した掛布氏。

 「江川VS掛布」と言えば、巨人のエース&阪神の4番で、同学年という最大のライバル。当時の江川は直球が打者の手元でホップするように見えるという物理的にはあり得ない剛速球で鳴らし、ほぼ直球とカーブの2球種だけでセ・リーグの強打者たちから次々に三振を奪った“怪物”のイメージだ。

 予告先発ではなかった時代。試合前の「本日の先発投手は江川」という場内アナウンスを「聞きたくないんですよね」とかつて話していた掛布氏。

 「怖いんですよ、やっぱり。それぐらいのストレートを投げ込んできますから。できれば違う名前言ってくれないかなってロッカーで思ってるんですよ」

 「特に(当時巨人の本拠だった)後楽園(球場)はロッカーの前に食堂がありまして。僕いつもハンバーグサンドを食べるんですよ。僕が練習終わるころにハンバーグサンドが僕のロッカーに置いてあるんですけど、江川が先発の時はそれを食べられないですもんね。緊張とかいろいろあるんでしょうね。ずーーーっとバットを握ってるんですよね。やだなーやだなーって言いながら、しょうがない、行くしかない、と。通路を出た時にちょっとスイッチが入る、僕も。そこで怖さがサッと消える」

 試合前にそう思わせたのは江川だけだそうで「ストレート投げてくるの分かってますから。ストレートしかない。僕待ってるんだよ、と。そこに投げ込んでくるですよ」と名勝負を振り返った。

 そして、忘れられない江川の剛速球がある。

 それは1982年9月4日の甲子園での出来事。8回裏、2死二塁の場面で掛布が打席に入る場面だった。

 「2―1で巨人が勝ってるんですよ。2死二塁で(巨人の)藤田(元司)監督がマウンドに小走りで行くんですよ。まさか敬遠はあり得ないと思ってましたから。(打席に)立ってると(巨人捕手の)山倉(和博)がですね、立ち上がるわけですよ」

 巨人ベンチは掛布との勝負を避け、敬遠することに。当時は申告敬遠ではなく、投手は打者に向かって4球ボールを投げなければいけなかった。

 「その時の江川の敬遠の投げたボールってのは、すっっごいボール投げてきたんですよ。怒りで。プロ野球ファンの方たちが一番お前との勝負が見たい場面だよね、と。そこで敬遠で逃げなきゃいけない、まだ俺はピッチャーなんだという怒りだったらしいです」と掛布氏。

 「彼がいたから。僕のバッティングの技術を上げてくれたのも彼かもしれませんね」と笑顔で改めて敬意を口にしていた。

 

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