才木らしい力強い投球 もう心配はいらない

[ 2025年9月15日 08:00 ]

セ・リーグ   阪神0-1中日 ( 2025年9月14日    甲子園 )

<神・中21>阪神先発の才木(撮影・北條 貴史)
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 【畑野理之の談々畑】

 杞憂(きゆう)に終わるだろうなと思っていたら、やっぱりそうなった。才木浩人は最多勝と最優秀防御率を狙う数字通りにゼロを並べていった。この日だけは、もしかしたら…と少し疑心暗鬼になっていたが、想像以上のたくましさだった。

 ちょうど1週間前の7日、優勝を決めた広島戦の5回先頭で石原貴規の頭部に死球を当てて危険球退場していたからだ。緊急登板した救援陣が抑えてくれたから勝ててよかったではなく、「何もなく喜ぶのはできないし、違うと思う」と心は穏やかではなかった。胴上げに向かう前に広島ベンチに向かって頭を下げた。「申し訳ありませんでした」――。そのまま試合出場を続けていた石原が“大丈夫”のジェスチャーをしてくれたが、頭部だけに、平然とはしていられなかった。

 過去に、死球をきっかけに腕が振れなくなった投手は少なくない。藤浪晋太郎もその一人だろう。17年4月4日のヤクルト戦で畠山和洋の頭部付近(左肩)に当てて、両軍の乱闘に発展。以降も制球難は克服されていないままだ。

 04年7月29日の中日戦では金本知憲が岩瀬仁紀から左手首にぶつけられて骨折した。後に世界記録となるフルイニング出場の途中だっただけに、1カ月後に対戦した際には腕が縮こまっていた。プロ野球最多の1002試合登板と通算407セーブを達成する岩瀬でさえも「そりゃあ、投げにくかったですよ」という。金本から後日、「もう一回、当てるつもりでこい。外に逃げたボールばかりじゃつまらんやろ」と、内角シュートが復活したのは、そう言われてからだ。

 才木は7回に石伊雄太に右前適時打を許して、この回までで1失点で降板。13勝目とはならなかったが、腕の振りも力強く、いつもの才木らしいさすがのボールだったと思う。

 言動から、ものすごく申し訳ないと思っている気持ちが伝わってくる。それでいてマウンドに立てば自分の仕事をやり通せるメンタルの強さ。広島サイドのスポーツマンシップにも救われた。「いつも通り、自分のピッチングをするだけ」。この日を見る限り心配いらない。CSも、そして日本シリーズも、きっと頼もしい。

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