「ドラ1ある」高校No.1野手がプロ選ばなかったワケ…横浜・阿部葉が進学を決めた意外すぎるタイミング

[ 2025年9月3日 19:50 ]

ファンにサインを求められ、対応する阿部主将(撮影・柳内 遼平)
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 「第32回WBSC U18ワールドカップ」(5日開幕、沖縄)で連覇を狙う高校日本代表の横浜・阿部葉太主将(3年)が存在感を増している。8月31日の大学代表との壮行試合では2安打、9月2日の沖縄県高校選抜戦では3安打2打点をマークした。

 
 ここまで対外試合3試合で不動の4番としての役割を全うしているが、「速い球に対しての対策をしていきたい。(海外投手の直球は)伸びるというよりボールを動かしてくると思う」と本番に向けて気の緩みはない。

 「強い横浜」を取り戻した偉大な主将だ。阿部は当時2年生だった昨年5月に異例の主将就任。同夏は神奈川大会決勝で東海大相模に敗れるも、新チームが始まると、公式戦20連勝で今春の選抜王者に輝いた。

 春、夏甲子園の9試合で打率・421を残した強打、好守、俊足を備える世代No・1外野手で、プロ志望届を提出すれば「ドラ1指名があるかも…」と大きな期待を持たせたが、既に東京六大学野球リーグに所属する早大進学を目指す意向を明らかにしている。

 松坂大輔氏(レッドソックスなど)、近藤健介(ソフトバンク)、筒香嘉智(DeNA)など数多くの「高卒プロ」を生んだ横浜からなぜ、阿部は大学進学を決断したのか…。本人に聞いてみた。

 「もう最初からというか、高校に入る段階で大学に行ってみたいという思いがありました。高卒プロを目指すために横浜に入ってきたわけではなくて、高いレベルで野球を学んで大学でも生かそうと思って選びました」 

 なんと阿部は中学時代から大学進学を希望していた。さらにドラフト戦線についての考えも判断材料だったと言う。

 「いろいろな選手を見てきた中で、やはり即戦力で活躍されるのは大学、社会人の方々。そして人生において大学で学んでみたいという思いがありました」

 前述した通り、走、攻、守の3拍子を高いレベルで備えており、名門校で2年から主将を務めた卓越したキャプテンシーもある。さらに31日に行われた大学日本代表との壮行試合では東京六大学野球リーグを代表する早大・宮城、明大・毛利から安打を放ち、既に選手として大学レベルに到達しているかのようにも見えた。ただ、阿部は冷静な目で対戦を振り返る。

 「いえ、あの試合は大学代表の選手に気を遣っていただいたんです。(大会が近いので)インコースに来ないような配球だったので(打つコースを)張りやすかった。本当の真剣勝負になった時、どんなピッチャー相手にも弾き返していけるようなバッターになりたいと思います」

 壮行試合での結果におごらず、冷静に現在地を見極めていた。なぜ打てたか、そしてリーグ戦の「真剣勝負」になれば結果が変わってくることを理解していた。

 「(プロ野球で)即戦力の活躍ができるように4年間で準備していきたい。大学で1つ、1つクリアして誰からも文句のない状態でプロに行きたいと思います」

 8月6日に18歳の誕生日を迎えたばかり。「人生2周目」を疑いたくなるほど、阿部は鮮明な人生設計を描いていた。(アマチュア野球担当キャップ・柳内 遼平)

 ◇阿部 葉太(あべ・ようた)2007年(平19)8月6日生まれ、愛知県出身の18歳。小2から田原東部スポーツ少年団で野球を始め、東部中では愛知豊橋ボーイズに所属し、3年夏は全国8強。横浜では1年夏からベンチ入り。50メートル走5秒9、遠投100メートル。好きな言葉は「愛・感謝・謙虚」。1メートル79、85キロ。右投げ左打ち。

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