【甲子園】酷暑対策「私のクーリングタイム」 仙台育英-20度スプレー、東洋大姫路は機械でチェック

[ 2025年8月19日 05:00 ]

学ランとシャツを使い分ける横浜の応援指導部・山本団長

 今夏の甲子園では朝、夕に試合を分ける2部制の拡大など、暑さ対策は年々アップデートされている。23年夏から導入されているのは、5回終了時に休息時間を設ける「クーリングタイム」。それとは別に、チームや応援団が酷暑に打ち勝つために独自に講じている暑さ対策「私のクーリングタイム」を取材した。 (スポニチ高校野球取材班)

 ≪横浜 学ランとシャツの二刀流≫横浜(神奈川)の応援指導部は普段の練習から学ランや厚手のトレーナーを着用し、灼熱(しゃくねつ)の本番を見据えた練習に励んできた。ただ、アルプス席で一試合を通した「学ラン応援」は熱中症のリスクが高い。そのため校歌が流れる時やエールの交換時以外は学ランを脱ぎ、シャツ姿になる「二刀流」を駆使する。山本快風(よしかぜ)団長(3年)は「応援している時はアドレナリンが出て暑さを感じないが、安全面を考えている」と話した。

 ≪仙台育英 -20度スプレー瞬間冷却≫仙台育英(宮城)は3回戦で沖縄尚学と延長11回の熱戦を繰り広げた。一塁側のアルプス席ではクーラーボックスに入った氷が応援団に配布され、チアリーダーたちは守備時に氷嚢(ひょうのう)を首に当てることで体温を下げていた。だが、選手たちはもっと即効性のある方法を実践。死球を受けた際などに使用するコールドスプレーの約マイナス20度の冷気をお互いにかけ合い「これが一番早く効く。意外とひんやり感は持続するんです」と得意顔だった。

 ≪東洋大姫路 機械で調べる「脱水状態」≫東洋大姫路(兵庫)の選手は、朝食前や練習前などのタイミングで採尿をし、専用の機械に通して脱水状態にないかを調べている。睡眠時の体内の水分量が翌日に影響することが分かり、就寝前の検査も欠かさない。兵庫大会を含めて、今夏の公式戦で足をつった選手はゼロ。指導者は「今年から検査を始めました。機械のお金はかかりましたけど、それよりも選手が問題なくプレーできる方が大事」と効果を明かした。

 ≪佐賀北「がばい根性」なら大丈夫≫この酷暑、冷却など小手先の対策だけでは乗り切れない。佐賀北が県大会前に取り組んだ暑さ対策は、練習の最後に「丸太ダッシュ」で精神面を鍛えること。太陽に照らされながら、4、5キロある丸太を抱えて外野のポール間を10本走る。あるコーチは「この子らは丸太を持って走っているから暑さに強いんです」と断言。背番号4の野田錬平(3年)は「メンタルが鍛えられているので暑さは大丈夫」と涼しい顔だった。

 ≪敦賀気比「伝統の黒」より白スパイク≫敦賀気比(福井)は、今春選抜後にスパイクの色を黒から白に変更した。高校野球では、暑さ対策の一環として20年3月から白スパイクが解禁。現在では大半の高校が白を選ぶようになったが、グレーや黒を基調としたユニホームの同校は黒で統一してきた。だが、この酷暑で「伝統の黒」を見直し。白を試すと選手の反応も上々で国本開部長は「選手たちが効果を感じたようで、全員が白を履くようになりました」と説明した。

 ≪本紙カメラマン 空調服購入で懐も“涼しく”≫スポニチ本紙の五島佑一郎カメラマン(21)は、今大会が夏の甲子園取材デビュー。ベンチ横のカメラマン席などでシャッターを切っている。炎天下の大会を完走するため開幕前に2万7000円もする空調服を購入。背中のファンから吸引された空気が服の中を循環し首から出ていくため「風を感じて涼しい」と手応え十分だ。担当する2試合分は充電が持ち、ファンを取り外して洗濯機で洗うことも可能。同業他社も含めてカメラマンの約7割が導入しており「もう手放せない」という最新「クールビズ」だ。

 ≪40度超え続出中≫今夏は記録的な猛暑となった。開幕日だった8月5日は群馬県伊勢崎市で国内歴代最高の気温41.8度を観測するなど、気温40度以上が14地点(全て関東)でこちらも最多記録だった。7月30日から8月2日までの4日間連続で国内で気温40度が観測され、これは12年ぶり。今後も20日にかけて、関東など東日本では気温が上がる予報となっている。

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