【甲子園】“山陰のピカソ”開星・野々村監督 劇的サヨナラで14年ぶり勝利「子供たちに感謝したい」

[ 2025年8月6日 13:32 ]

第107回全国高校野球選手権第2日 1回戦   開星6ー5宮崎商 ( 2025年8月6日    甲子園 )

<宮崎商・開星>戦況を見つめる開星・野々村監督(撮影・平嶋 理子)
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 14年ぶりに甲子園に帰ってきた“山陰のピカソ”こと開星の野々村直通監督が絶妙の“采配”で白星をもぎ取った。

 3点を先取した直後の3回の守備。エース右腕・松浦愛珠(3年)が制球難から1死満塁のピンチを迎えると、すかざず伝令を送った。すると、松浦は攻めの投球を見せて、遊ゴロ併殺打で無失点に抑えた。4回に宮崎商に投手陣が集中打を浴びて同点に追いつかれると、篠田秀斗(3年)、持田聖純(3年)とつないで勝利につなげた。

 攻めては、2回1死満塁からエース松浦愛珠(3年)の中犠飛で先制し、さらに2死満塁から小村拓矢(3年)が左前2点適時打。3点差を追いつかれて迎えた7回2死一、三塁から松本七斗(2年)の中前適時打で勝ち越し。8回には代打・三島将(2年)の適時二塁打で加点した。そして延長10回に途中出場の前田翔太(3年)が無死満塁から中犠飛してサヨナラ勝ちした。

 野々村監督は元美術教員で、その才能から“山陰のピカソ”とも呼ばれ、抽選会に和服姿で登場したことも。歯に衣着せぬ発言でも知られ、10年選抜で21世紀枠の向陽(和歌山)に敗れて「末代までの恥。切腹して死にたい」と話したことが物議を醸した。

 11年夏の甲子園を最後に退任し、学校も定年退職していたが、20年3月に20年に復帰。今大会最年長の73歳として14年ぶりに聖地に戻り、白星を手にした。試合終了後は、「あの子はひたむきにやってる子なんで、不器用なんですけど気持ちでもっていってくれた。本当に3年間、まじめに練習して、1番練習する子だったので、最後に意地であそこまで距離を出したと思う」とサヨナラ犠飛の前田翔太(3年)を称え、「代走もチームで1番足の速い子に代えていたので、そこもうまく歯車が回ったという感じでラッキーでした」と振り返った。そして、「子供たちに期待するとかじゃなくて、もう任せてますから。とにかくお前らがやってきたことをここで出してくれたらもういいよって気持ちでずっと祈るような気持ちで見てました。こういうゲームを甲子園でできるというのは素晴らしいと思う。このチームはそういうゲームをこなしてきて、粘り強い魂のあるチームだと思っていましたが、それが甲子園で接戦をものにしたとは本当にうれしい」と話した。

 無死一、二塁から始めるタイブレークについては「子供たちが時間が空いた時に練習しているんですよ。私は全然興味なくてタイブレークにならない試合をしようとね。でも子供たちはいろんなケースのサインプレーをしたり一生懸命に練習していた。本当に子供たちに任せたのがうまくハマった感じ。本当に子供たちに感謝しています」と話し、リリーフで力投した持田について「気持ちで最後まで投げてくれた。派手な子じゃないですけど魂だけは持っている」と絶賛。次戦の仙台育英(宮城)戦に向けては「いやいやもう大横綱ですから。うちはふんどし担ぎで勝負にならないけれども、本当にみんなで一生懸命やってきたんで、すべて力を出し切って玉砕してくれたらいいと思います。大横綱ですから」と話していた。

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