「最低限の仕事」?いやいや、「最高の一打」だった阪神・佐藤輝の犠牲フライ

[ 2025年7月5日 08:00 ]

セ・リーグ   阪神7―1DeNA ( 2025年7月4日    横浜 )

<D・神>8回、犠飛を放った佐藤輝(左)を迎える藤川監督(撮影・尾崎 有希)
Photo By スポニチ

 【畑野理之の談々畑】試合後の佐藤輝明のひと言目がこれだった。「最低限の仕事ができてよかったですね」――。8回1死満塁で決勝の左犠飛を放った一打についての談話だが、いやいや、それはちょっと違うで。最高の仕事やったと思うんやけどなあ…。

 1―1に追いつき、なお1死満塁。目の前で森下翔太がカウント2ボールになった時点で申告敬遠されて満塁策をとられ、自身との勝負を選択された。プライドがある、4番打者の意地もある。燃えないわけはなかった。

 伊勢大夢の初球フォークに空振り。2球目の真っすぐはファウルですぐに追い込まれた。ただ、そこからボール球には動き出したバットを懸命に止め、力勝負はファウルで粘った。フルカウントからの8球目フォークを高々と打ち上げた。飛距離十分の左犠飛。まさに食らいつくという表現がぴったりだった。今季初めての犠飛だった。そして冒頭のコメントだ。

 野球選手からよく「最低限の仕事ができました」という談話を聞く。佐藤輝ももちろんヒットで走者を還したかったはず。それが文句なしの結果だろう。しかし三振だけは避けたかった場面で、カウント2ストライクからなら、なおさら4番の仕事はできたと思う。アウト一つを犠牲にして、1点だけ奪うからなのか、野球選手も何となくそのフレーズを使っているが、“最低限”には、以前からちょっと違和感があった。

 阪神OBで本紙評論家の広澤克実氏が言う。「よく外野フライぐらい打てとか、犠牲フライでもいいとか言うけど、そんな簡単には打てないよ。相手は打たせないように投げてくるしフライを打つのは難しいんだよ」

 3日の巨人戦、0―0の9回無死満塁でライデル・マルティネスを沈めたのも豊田寛の中犠飛だった。阪神が2試合連続で犠飛で決勝点を奪ったのは、20年のシーズンまでさかのぼっても記録は出てこなかった。

 佐藤輝の気持ちを高ぶらせたのは敬遠策だけではないだろう。直前の村上頌樹のマウンド上の気迫を三塁のポジションから正面で見て、感じたのも大きい。9回には植田海も熊谷敬宥にも二塁打が飛び出した。エースの力投に応えた。チーム全体を盛り上げた。改めていうけど、サトテルの最高の一打だったと思う。

続きを表示
続きを表示 広告なしで読む

「大谷翔平」特集記事

「始球式」特集記事

野球の2025年7月5日のニュース