【高校野球】八幡商・川崎陸翔 強力な土台をつくり、直球のキレが魅力の剛腕

[ 2025年6月25日 06:00 ]

屈強な下半身を生かして力強い球を投じる八幡商・川崎(撮影・河合 洋介)
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 第107回全国高校野球選手権大会(8月5日から18日間、甲子園)の出場49校を決める地方大会は、すでに沖縄、北海道で開幕している。夏の醍醐味(だいごみ)の一つは、現時点でドラフト戦線に名前が挙がっていない原石だとしても一躍、主役になり得ること。昨夏も無名左腕だった大社(島根)の馬庭優太(現東洋大)が甲子園8強に導く旋風を起こした。スポニチでは、西日本に潜む新星候補の好投手を紹介する。 (河合 洋介)

 滋賀の伝統校・八幡商に現れた剛腕は、その体格から風格が漂う。身長1メートル77ながら体重が93キロもある。「中学の頃は細かったんですけどね…」。そう言って頭をかく最速144キロ左腕の名は、川崎陸翔(3年)だ。

 恵まれた土台を生かした力強い直球が最大の魅力。「直球の切れで勝負する投手です」。直球の投球回転数は約2200回転で、これはNPBの直球平均と同等。140キロ台前半の直球で打者をことごとく詰まらせるのは、球速以上の球威がある証拠と言える。

 立派な体を手に入れることにつながる分岐点があった。高2春に左肘じん帯を損傷し、2カ月間のノースローを強いられた。「この挫折をきっかけに必死にトレーニングをやるようになりました」。背中や下半身を鍛えるデッドリフトは、プロ野球選手でも簡単には見当たらない220キロを持ち上げる。太腿は目を見張るほどたくましくなり、ユニホームのズボンのサイズは「2XO」、制服のズボンは入らなくなり、新調した。

 県内屈指の強豪ながら、1951年春の初出場から春夏通算14度の出場を誇る甲子園には、2011年夏を最後に遠ざかる。則本昂大(楽天)を擁した08年夏も綾羽に準決勝で敗れ、甲子園にはたどり着かなかった。「いい選手が集まる私立で甲子園に行けても、おもんないな…と思っていた。近江を倒そうと思い、公立の八幡商に来た。最後の夏は、負けることなく進んでいきたいです」。先輩が積み上げてきた歴史の重みも剛球に乗せ、伝統校を再び輝かせようとしている。

 ◇川崎 陸翔(かわさき・りくと)2007年(平19)12月10日生まれ、滋賀県守山市出身の17歳。小1から玉津少年野球部で野球を始めて投手や遊撃手を務める。中学では守山リトルシニアに所属。八幡商では1年秋に背番号17でベンチ入りし、2年秋から背番号1。1メートル77、93キロ。左投げ左打ち。

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