統計学では絶対に表せない4回の阪神・近本の決勝犠飛

[ 2025年6月20日 08:00 ]

交流戦   阪神2―0ロッテ ( 2025年6月19日    甲子園 )

<神・ロ>初回、近本は二塁内野安打を放つ(撮影・北條 貴史)
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 【畑野理之の談々畑】きょうも得点できなかったか。阪神は初回、近本光司が二塁内野安打。続く中野拓夢は送りバントで二塁へ進めたが、最後は2死二、三塁から大山悠輔が見逃し三振に倒れた。

 この3連戦すべて、近本は初回に出塁したが、1点も入っていない。今季67試合目で近本が初回に出塁したのは22度目。4月15日のヤクルト戦は二塁打だったので、無死一塁のシチュエーションは21度。そのうち藤川球児監督が犠打で得点圏へ進めたのは10度ある。5連続得点ののち、この日で5連続無得点となった。得点に結びついた50%の確率が高いのかそうでないのか。バント失敗もあれば、バントファウル後の凡打もある。二盗に成功も失敗もある。50%が正確な数字かどうかは、人それぞれの判断でいい。

 野球を統計学的なデータで分析するセイバーメトリクスでは無死一塁からの犠牲バントは、強攻策よりも得点確率は低いとされている。肯定も否定もするつもりはないが、あくまで統計なので3番打者以下の好不調や、相手投手との相性、コンディションに左右されるところが大きいと思っている。

 なにより監督のゲームプラン次第ではないか。初回の先発ジョン・デュプランティエの投球を見れば1点で十分と考えるかもしれない。この日も含め今季先制すれば28勝13敗というデータも存在する。選択肢の中から、ベンチがその時々で最善をチョイスしている。

 4回の決勝点は統計学では絶対に表せない。6番の小幡竜平が中前打して無死一塁。次打者は坂本誠志郎。犠打で1死二塁にしても8番・糸原健斗、9番・デュプランティエと続く。まだイニングは浅く先発投手に代打はありえないので、糸原に安打を期待するしかないのだろうか…。

 坂本は初球はバットを寝かせた(判定はボール)。藤川監督の勝負手はここだろう。打てのサインに変更し、坂本は中前打。「1死二塁」ではなく「無死一、二塁」とした。糸原は見逃し三振も、今度はデュプランティエの送りバントが、まさかまさかの投手・種市篤暉のミスを呼び込んだ(記録は野選)。ここでの種市の自滅は、統計学ではどうやっても出てこない。1死満塁からの近本の中犠飛が決勝点となった。

 セオリーを凌駕(りょうが)してしまう勝負勘や試合の流れ。運も必要だし、いかに目に見えないものを感じ取れるか。野球に絶対の答えはなく、改めて難しいと思った。

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