強い日本愛と母国愛 オリックス・エスピノーザがオフにベネズエラWLに参加した理由

[ 2025年6月9日 13:03 ]

ファンに感謝を伝えるオリックスのエスピノーザ(撮影・須田 麻祐子)
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 長かった我慢が、ようやく報われた。オリックス・エスピノーザが今月5日の広島戦(京セラ)で昨年7月7日の日本ハム戦以来、自身17試合ぶりの勝ち星。白星が付かなかった16試合全てで援護点が2点以下という“呪縛”からも解き放たれた。お立ち台での「ウレシクテタマラナーイ!オカゲサマデ、カチマシター!」という流暢な日本語での喜びの表現は、まさにインパクト絶大だった。

 来日2年目を迎え、日本への愛は深まる一方だ。昨オフには首元にタトゥーで「感謝」の二文字を刻み込んだ。「去年からどんなフレーズがいいかなと考えていたんだ。神のご加護、自分の生きている人生、そして日本という素晴らしい国にも感謝という意味を込めて」。交流戦期間中に横浜で出会ったチャーハンが大好物となり、カタカナで自らの名前を書けるようになるほど日本語も猛勉強中。勝利から見放されている期間には、「勝ち運の寺」として有名な大阪・箕面市の勝尾寺を、来日中の彼女・ジョスレイさん(29)とともに参拝した。異国の文化にも馴染みながら奮闘を続ける姿、そして愛嬌たっぷりの性格から、投手陣をはじめチームメートたちにも愛される存在となっている。

 昨オフにはオリックス球団の許可も得て、かつて在籍した母国ベネズエラの「カルデナレス・デ・ララ」の一員として、プレーオフ限定でウインターリーグに参戦。決勝では6回2失点の好投で、チームを優勝に導いた。日本でフルシーズンを戦い終えた後に、なぜマウンドに――。

 「ベネズエラで投げることが大好きなので。家族の一部は来日して僕の投球を見ることができるけど、やっぱり祖父や祖母とか日本に来られない人たちにも思い入れがある。その人たちに、自分が野球をする姿を見せておきたいという思いもあった。家族の前で、いい経験になったよ」

 聞かせてもらった家族への思いから、海外で“助っ人”として過ごす人間の心の強さを垣間見た。「ベネズエラで優勝したので、日本でも優勝したい。チームを助けるために、勝てるだけ勝ちたい」。母国への愛、そして日本への愛を胸に戦う右腕が、長かったトンネルを抜けて白星量産へ腕を振る。(記者コラム・阪井 日向)

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