【内田雅也の追球】三遊間のミスなんて?

[ 2025年6月9日 08:00 ]

交流戦   阪神8-1オリックス ( 2025年6月8日    甲子園 )

<神・オ(3)>4回、小幡が頓宮の打球を追うも及ばず(撮影・北條 貴史)
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 阪神の3失策は今季2度目のゲーム最多だった。それがどうした?と言わんばかりの快勝。3番3ランに4番満塁弾でお祭り騒ぎである。

 それに目立たぬ好守が随所にあった。3回表無死一塁で送りバントの小飛球を坂本誠志郎がよく捕った。直後の三邪飛を木浪聖也は背面好捕した。今季まだ無失策の中野拓夢は6回表1死一塁で後方飛球を好捕し、8回表無死一塁ではボテボテを素早く処理して刺した。いずれもピンチの芽を未然につみ取った。

 この好守があって、5度も回の先頭打者に出塁を許しながら、その回を無失点で切り抜けられた。統計上、無死一塁の得点確率は約40%。5度も連続で無失点とは計算上7・8%しかない。極めて珍しい結果だった。

 防御率0点台となった先発・伊原陵人も初ホールドの2番手・石黒佑弥も「フライボールピッチャー」という点が強みとなった。走者を背負っても後続を進塁打も許さぬ凡飛に取った。データは知らぬが、ともに直球の回転数が多いのだろう。

 さて、何も快勝に水を差すわけではないが、3失策に目を移したい。

 1つは4回表、中前打のゴロを近本光司が拾い損ねた凡ミスで論外。その遊撃右へのゴロを小幡竜平が捕れなかった(記録は安打)のはどうか。

 この日は前監督、現球団オーナー付顧問の岡田彰布がラジオ解説していた。岡田は「小幡は捕れた」と実質失策と指摘した。ならば事実上4失策である。

 残る2失策は8回表先頭での木浪、9回表先頭でのラモン・ヘルナンデス。いずれも三塁手がゴロをはじいた。木浪について岡田は放送で言った。

 「木浪は4月(9日・ヤクルト戦)にサードをやってから、ショートでバウンドが合わなくなった。それで(4月19日・広島戦)の3失策ですよ。ポジションを変えるとそういうことがある」
 古くはカル・リプケンや宮本慎也も遊撃から三塁転向当初は戸惑った。

 ポジション固定を理想とする岡田は、佐藤輝明を外野起用(5月25日・中日戦)してから、三遊間の選手起用が流動的なのが気になるようだ。

 試合前と5回終了時、エレベーターで岡田と一緒になった。「誰がレギュラーか分からんな」と漏らしていた。きょう9日は名解説者・小西得郎の命日。今の三遊間問題に小西節の「何と申しましょうかあ」と言葉を探している。 =敬称略=
 (編集委員)

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