阪神・前川 今季甲子園初勝利に導く決勝2点二塁打「ずっと1安打だったしデカい」今季2度目マルチに納得

[ 2025年4月12日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神6―3中日 ( 2025年4月11日    甲子園 )

<神・中>初回、前川は左翼線に2点二塁打を放つ(投手・高橋宏)(撮影・北條 貴史) 
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 阪神・前川右京外野手(21)が11日、中日戦(甲子園)の初回1死一、二塁から三塁線を破る決勝2点二塁打を放った。昨年9月4日同戦以来の初回5連打を締めくくる一撃で、昨季の最優秀防御率右腕・高橋宏を攻略。京セラドームを含めた今季主催6戦目にして待望のホーム&聖地1勝を、藤川球児監督(44)へプレゼントした。チームの連敗は「2」で止まって貯金1。巨人、広島に並ぶ2位に浮上した。

 前川の18・44メートル先には巨壁が立ちはだかる。昨季は10打数で2安打。智弁学園2年だった20年8月12日、コロナ下で実施された甲子園の交流試合では「えげつなかった」と回想する剛腕・高橋宏だ。21歳の狙いはただ一つ、直球に振り負けないこと。初回に森下の適時打で2―2に追いつき、大山が中前打でつないだ1死一、二塁。その外角高め151キロを砕き、三塁線を破った。

 「今まで結果が出ていなくて、打たなくてもいい球を打っていた。強引にいかず、久しぶりに丁寧に打てた」

 左翼・上林の打球処理がもたつく間に、二塁から森下、一塁から大山が長駆生還。4―2とし、新生・藤川阪神の25年甲子園初勝利を手元に引き寄せた。7回の第4打席には左腕・橋本から右前打し、3月29日広島戦以来、今季2度目のマルチ安打。「ずっと1安打だったし、こっちの方が(価値が)デカい」と納得顔。次戦以降へ確かにつながる執念の一打だった。

 漆黒のヘルメットにまとわりつく、渋い“テカり”が前川の代名詞になりつつある。光沢の原因は、バットの滑り止めの「松ヤニ」。試合前、前頭部にたっぷりと吹きかけ、臨戦態勢を整える。理由は、ファウルを打った際、ネクストサークルまで再噴射へ戻る時間を短縮するため。かぶり直しながら手のひらに付着させ、試合進行のスピードアップに一役買っている。加えて「あとは、個性です!」――。ベタつくヘルメットのひさしの奥から、鋭い眼光で獲物を狙う。その立ち振る舞いからは、1軍の最年少野手とは思えない貫禄すら漂っている。

 「(8日に)金本さんから“最低限、真っすぐを打てないと話にならない”と言われた。150キロを当たり前に投げる投手を打ち返せるようにしたい」

 レジェンドの金言を体現した、鮮やかな決勝二塁打。虎の子の1点を生む押し出し四球だった6日巨人戦とは異なり、正真正銘の「V打」だ。開幕前に掲げた「勝利打点10」へ、また一歩接近。殊勲を称える今季初のお立ち台では、4万2600人の大歓声を一身に浴びた。「きょうに満足せず、あした試合をやりたい」。余韻に浸るのは一瞬。快音に飢えた若武者がいる限り、猛虎は何度でもよみがえる。 (八木 勇磨)

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