今永昇太 ストライクなら三振でチェンジの不運判定から7失点も「これも野球。抑えるのがいい投手の条件」

[ 2024年8月13日 11:29 ]

インターリーグ   カブス8―9ガーディアンズ ( 2024年8月12日    クリーブランド )

2被弾し、渋い表情を浮かべるカブス・今永(AP)
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 カブスの今永昇太投手(30)が12日(日本時間13日)、敵地でのガーディアンズ戦に先発。勝てば昨季のメッツ・千賀滉大投手(31)に次ぐ日本投手9人目となる1年目の10勝だったが、5回を投げ2本塁打を許すなど7安打7失点(自責3)で降板。これで5試合連続被弾と苦しい投球で、10勝目はお預けとなった。チームは鈴木誠也外野手(29)が一時同点の犠飛を放つなど、終盤に5得点して追いつく粘りを見せたが、8―9で競り負けて連勝が4で止まった。鈴木は2安打1打点だった。

 試合後、今永は「序盤の3回はあまり球速が出ていなかったけど良かった。4回に球速が出始めて打たれてしまった。調子が上がってきた時に打たれてしまったので野球って難しいなと思いました」と振り返った。

 また、3―0の4回2死一、二塁で、ネイラーへのカウント1―2からの低めのスプリットが見逃されてボール。これは中継のストライクゾーン表示にかかった球だった。ストライクなら三振でチェンジだった球をストライクと判定されずにネイラーにフルカウントから適時打を浴び、さらにノエルに逆転3ランを被弾した。このボール判定について問われると「投げた時はわからないので、あとから映像を見返したらどっちでもいいようなボールだった。これも野球。そういう判定の後にしっかり抑えるのが僕の仕事。ああいうことがあったからこそ抑えるのがいいピッチャーの条件かなと思います」と言い訳にはしなかった。

 この日2被弾し、球宴後被安打に占める被本塁打率は両リーグで3番目に高い25.9%。この日の2被弾については「1本目のスプリットは完全に打者が上手だった。膝を突きながらあそこまで飛ばされたのは、相手を褒めるべきではないかもしれないけど、相手がうまかったと思うしかない。クワン選手の本塁打は防げる余地があった。相手のストロングポイントに投げてしまった」と分析した。

 打線が援護して黒星を消してくれたことには「3点先制してもらっていたので、悪くても同点までに止めておかないといけない。同点までに止めておけば、味方が点を取ってくれる打線なので。追いついてもらってたくさん力を費やしてもらったので、次は自分が抑えたい」と次回登板でのリベンジを誓った。

 今永は初回、ア・リーグ打率3位(.325)の1番クワンを遊飛に打ち取ると、2番トーマスはカウント2―2からスプリットを振らせて空振り三振。リーグ打点2位(97打点)の3番ラミレスは二ゴロに打ち取り、安定感のある投球を見せた。

 3回はこの日30歳の誕生日を迎えた1番ハップが今永に先制2ランをプレゼント。その裏の守りでは、1死後に8番フリーマンからこの試合2個目の三振となる見逃し三振。9番ヘッジズには三塁線を破られてこの試合初安打を許したが、左翼ハップが好送球で二塁で走者を刺し、この回も結果的に3人で終えた。

 4回は四球と味方の失策も絡みこの試合初めて得点圏に走者を背負った。そして2死一、二塁から5番ネイラーに右前適時打を許すと、続くノエルには低めに沈むボール球のスプリットをすくわれ、左越えに勝ち越しの3ランを被弾した。

 5回も1死一塁からクワンに右越えに2ランを被弾。さらにフライに適時打を許し、7点目を失った。ガーディアンズは対左投手に対しては25勝9敗、勝率.735と大リーグトップ。最も左投手を得意とするチームの攻撃陣を封じることができなかった。

 打線はその後7回にホーナー、スワンソンの適時打などで4得点で1点差。さらに8回は1死二、三塁の場面でこの日2安打と好調の鈴木が犠飛を打ち上げて今永の黒星を消した。しかし、追いついた直後の8回に決勝点を許してチームの連勝が止まった。

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