広島・アドゥワ 8年目にしてプロ初完封勝利も最後までポーカーフェース「1勝は1勝なので」

[ 2024年8月7日 05:45 ]

セ・リーグ   広島5―0巨人 ( 2024年8月6日    東京D )

<巨・広>完封勝利し笑顔のアドゥワ(左)と坂倉(撮影・島崎 忠彦)
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 広島・アドゥワ誠投手(25)が6日の巨人戦(東京ドーム)に先発し、自己最多133球の熱投で8年目にして初の完封勝利を飾った。自身通算100試合目の登板で5月26日DeNA戦以来の勝利を挙げ、18年の自己最多に並ぶ6勝目。チームを今季最長7連勝に導き、7日の首位攻防戦第2ラウンドへ弾みをつけた。

 アドゥワは最後までポーカーフェースを貫いた。9回2死で大城卓を左飛に打ち取り、8年目で初完封勝利。それでも淡々とした表情で、チームメートとハイタッチを交わした。

 「1勝は1勝なので。別に完封したから(喜びを表現する)とかはない。9連戦の初戦だからと言って、長いイニングを投げようとは思っていなかったが、結果、こうなったので良かった」

 初回を3者凡退で立ち上がり、5回1死から坂本に左前打を打たれるまで無安打投球。140キロ台中盤の直球を軸に、130キロ台のチェンジアップ、110キロ台のカーブも有効に使って緩急を操った。

 8回を投げ終えた時点で、すでに今季最多の119球。それでも5点のリードを背に9回もマウンドへ。そして中軸を3人で退け、締めた。9連戦初戦で、2位・巨人相手に価値あるシャットアウト。新井監督も「こっちとしては期待して送り出していますけど、期待以上の投球をしてくれた。9連戦の頭で最高の投球」と称えた。

 常にポーカーフェース。そこにはアドゥワなりの理由がある。
 「自分にあまり期待していないからです」

 これまでの登板も、内容、結果に関わらず一切、表情を変えることはなかった。感情の変化が投球に隙を生むと考えるからだ。“無心”のポリシーを貫いてきた。“自分に期待しない”イコール“慢心はない”。どんな状況でも同じマインドを保つことが「いい方向(結果)につながっていると思う」と分析。だからこの日のプロ初完封にも感情を露わにすることはなかった。

 高卒2年目の18年にすべて救援で53試合に登板して自己最多6勝をマーク。今季は全試合先発登板で自己最多の勝利数に並んだ。20年10月に右肘手術など苦しい時期も味わってきたからこそ、「周りに感謝しながら、これからも投げたい」と言葉に力をこめた。

 「8・6」――広島にとって特別な日である「原爆の日」に、チームは白星を飾った。「平和に野球ができることに感謝しながらグラウンドに立っていました。そういう日に勝てて良かった」と新井監督。7連勝で、首位を堅持した。(長谷川 凡記)

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