中日・高橋宏が防御率0.54でトップ登場 43年の藤本英雄超え歴代最高「まだまだ、ここから」

[ 2024年8月7日 05:45 ]

セ・リーグ   中日6―2DeNA ( 2024年8月6日    岐阜 )

<中・D>7回、牧を遊ゴロに仕留め、ガッツポーズする高橋宏(撮影・椎名 航)
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 自己最多127球目。中日・高橋宏は147キロスプリットで牧を遊ゴロに仕留め、力強く右拳を握りしめた。7回1失点で自己最多を更新する9勝目。今季初めて規定投球回に到達し、43年藤本英雄(巨人)の防御率0・73を上回る歴代最高の同0・54でリーグトップに登場した。

 「まだまだ、ここからがスタートなので。最低限の目標が143イニング。ここからが勝負。余裕を持って、規定投球回にいけるように」

 午後7時半を過ぎても気温31度を記録した岐阜で躍動した。初回に2安打で招いた1死二、三塁からオースティンに右犠飛。今季唯一の黒星をつけられた6月28日のDeNA戦の6回からの連続無失点は33イニングで止まったが、後続を断って最少失点。150キロ超の直球とスプリットにカットボールやスライダーなど横の変化を加えて8三振を奪った。

 「スプリットがよくなかったのでカットボールに切り替えて、調子が悪かったなりに抑えられて良かった。新しい引き出しかなと」

 屋外球場の連敗を12で止めて3連敗からの脱出に導き、今季6度目の連敗ストッパー。「(DeNAに)やり返したという感覚はないし、相手もやられた印象はないと思う。もっと相手を圧倒できるように」。7月から5戦5勝へ伸ばし、強烈な存在感を示した。(湯澤 涼)

 ≪シーズンの規定投球回143まで残り43イニング≫高橋宏(中)は7回を投げて規定投球回に到達し、防御率0.54でセの1位に登場した。現状ではシーズン防御率のプロ野球記録として残る43年藤本英雄(巨)の0.73を超える。ただし、7日に試合を消化すれば、チーム101試合目となり規定未満で一時的にランキングからは消える。シーズンの規定投球回143まで残り43イニングで、この間を自責点9なら0.94で1点未満をキープ。自責点5なら、0.69で藤本を抜いて歴代トップとなる。

 ≪藤本英雄は1950年に史上初の完全試合を達成≫藤本英雄は1942年に明大から巨人入りした右投手で、デビューから登板14試合で無傷の10勝を記録した。翌43年に史上3人目の投手5冠(勝利、防御率、奪三振、勝率、完封)を達成し、シーズン防御率0・73はプロ野球記録。50年には史上初の完全試合を達成した。47年のみ中日でプレーし、実働13年で通算367試合200勝87敗、防御率1・90。76年野球殿堂入り。97年に78歳で死去。

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