阪神・岩崎 明かした無双の要因 “進化”の11年目左腕 両リーグ断トツ防御率1・14の救援陣けん引

[ 2024年5月3日 05:15 ]

阪神・岩崎
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 阪神・岩崎優投手(32)が2日、本紙に塩対応ではなく思いの丈を打ち明ける企画「成し遂げる その先へ」で開幕からの1カ月を振り返り、無双の要因を明かした。ハビー・ゲラ投手(28)とのWストッパーで開幕から13試合連続無失点と好調をキープする11年目左腕は“進化”を遂げながら両リーグ断トツの防御率1・14を誇る救援陣をけん引。連覇への決意を新たにするとともに、3日からの巨人3連戦(東京ドーム)でも宿敵の前に仁王立ちするつもりだ。

 敵地に響き渡るブーイングにも心は一切、乱れなかった。4月23日のDeNA戦。同点の延長12回に登板した岩崎は2死一塁で桑原を迎えると、1ボール1ストライクからけん制を4度も続けた。

 「最初は(走者を)刺せるチャンスがあると思って投げていますけど、その後の意味合いは違いましたね」

 一見、打者との勝負に集中できていないように見えても、実情は違う。「敵地って凄い雰囲気じゃないですか。その中で、ブーイングは受けましたけど、けん制を投げながら自分のペースでできているなと思って投げていました」。結局、桑原には左前へ運ばれ二、三塁とサヨナラ負けのピンチを迎えたが、地に足は着いてた。

 「二、三塁になっても慌てなかったし、落ち着いていました。相手(打者)もタイムを取っていましたし、けん制の時点で自分のペースに持ち込めていたので。若い時はマツダスタジアム、横浜スタジアムとか、ああいう敵地の雰囲気を感じてしまって失敗している経験が何度かある。それを踏まえてやりました」。最後は度会をスライダー3球で空振り三振に斬り、仕事を果たした。

 開幕からここまで13試合連続無失点。「けん制のことだったり、間の使い方だったり自分のリズム、ペースで投げられている」とプロ11年目を迎えた32歳は“自分の世界”に相手を引きずり込み、凡打を量産している。キャリア最高レベルのスタートにも「他球団も無失点の投手はたくさんいますし、珍しいことではない。1年間でこういう(連続無失点の)時期は必ずある。それが最初に来ているだけですかね」と至って冷静。だからこそ「ずっとうまくいくこともないし、そんなに甘くはないので。うまくいかなくなった時にどうするか。今はそういうことも頭に入れながらやっています」と先を見据えている。

 6ホールド、4セーブの数字が物語るように、現状はゲラとのWストッパーを担う。「8回と9回で景色は変わりますけど、やることは変わらない。自分は駒なんで。チームが勝つ確率が高い起用に自分は結果で応えるだけなので」。4月上旬から守護神を担った昨年と比べ、試合中の準備の時間を少し早めたくらいで、調整に大きな変更はない。「それは間違いないですね」と過去にセットアッパーを経験している強みも生きている。

 自身の背中を追いかけるように、他の投手も開幕から好投を続け、救援防御率1・14は両リーグ断トツ。昨年、合言葉になった「ブルペンで勝つ」を今年も継続し、リーグ首位を走るチームの屋台骨となっている。

 「(救援陣全体の安定感は)このまま続いていけばいいし、うまくいかなくなった時に、カバーし合って乗り切っていきたい」。3日からの巨人3連戦へ向けても「やることは変わらないですし、普通にやるだけです」と口にして東京へ向かった。ブレない、動じない――。完全無欠のリリーバーになりつつある背番号13が、快走する猛虎を加速させる。(遠藤 礼)

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