ドラ1候補なのに…変身「怖くない?」 法大・篠木健太郎が新スタイルで初Vを狙う

[ 2024年4月22日 20:51 ]

東京六大学野球第2週第3日   法大4―1立大 ( 2024年4月22日    神宮 )

<法大・立大>8回、力投する法大・篠木(撮影・大城 有生希)
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 3回戦1試合が行われ、法大が4―1で立大を下し、2勝1敗で大島公一新監督(56)が初の勝ち点をつかんだ。先発した今秋ドラフト1位候補の最速157キロ右腕・篠木健太郎投手(4年)が8回5安打1失点でリーグ通算9勝目。安定感を重視し、視察した4球団のスカウトにアピールした。

 「昨日は(ベンチを外れて)スタンドで見ていて、応援団の間近にいた時に、やっぱり応援してもらえる幸せだったり、(吉鶴)翔瑛が頑張る姿にくるものがあった。昨日の夜も翔瑛から「任せた」とラインしてもらえたんで、僕もしっかり勝ち点を取れるように投げようと思いました」

 立大との初戦から中1日で先発。篠木のイメージがガラリと変わる法大の第1カードとなった。2試合で計15回を投げて2失点で防御率1・20。12三振2四死球と数字が安定感向上を証明した。昨年までは先発で150キロ超を何度も計測する馬力を武器に通算8勝を挙げてきた。ただ、この試合は最速149キロ。制球力重視は意図した進化だった。

 「高村さん(助監督)からは“バランスをよく”とずっと言われていて、大島さん(監督)からは助監督の頃から“コントロールを大事にすれば篠木は大丈夫”と話しをしてもらっていた。ボールのコントロールもそうですけど、メンタルのコントロールもしっかりしようと思っている」

 こん身の直球で空振りを奪うことは投手としての生きがいでもある。それに東京六大学野球リーグでNo.1の豪腕として評価されている立ち位置から大学ラストイヤーにスタイルチェンジ。記者はこの試合後、「スタイルを変えることに怖さはなかったか」と直球で質問。篠木は迷いなく言った。

 「自分自身、(直球に)こだわりがないことはないんですけど、やっぱり自分が変わることでチームが勝てるならば。やっぱり勝利がピッチャーとしても、チームとしても価値のあるものと思う。そこを目指してやっています」

 大学最終年での大幅なスタイルチェンジは昨年の中大・西舘勇陽の姿が重なる。西舘は昨春のリーグ戦では投球モーションのクセが他校にバレていたこともあり、150キロ超の直球が痛打され、防御率は3・43。チームの勝利を第一に考えた秋季リーグ戦では「7割の力に抑えた」と直球をセーブして安定感が向上。防御率は1・11の好成績でドラフト1位指名につなげた。

 西舘と同じくチームの勝利のためにスタイルチェンジした篠木。残る4校との対戦へ「チームとしても自分としても目指しているものは1つ。どんな形でも勝利に貢献していきたい」と決意を言葉にした。(柳内 遼平)

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