【落合×鈴木啓示対談】鈴木氏が語る歴代監督 影響を受けたのは魔術師よりも悲運の名将

[ 2024年3月15日 17:55 ]

鈴木啓示氏(右)とオレ流チャンネル「博満の部屋」で対談した落合博満氏
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(70)が15日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。大好評対談企画「博満の部屋」の第6回目として、歴代4位の通算317勝を挙げた元近鉄投手・鈴木啓示氏(76=本紙評論家)をゲストに招いて対談を行った。

 落合氏は、鈴木氏の近鉄時代の恩師・西本幸雄監督の名を挙げ「話の途中で西本さんの話はよく出てきたんですけども、現役20年の間の監督って何人くらいいました?」と質問。鈴木氏は「8人くらいおられたんちゃうかね」と答えた。

 動画内では、入団1年目の1966年は岩本義行監督、1967年は小玉明利監督、1968~1970年は三原脩監督、1971~1973年は岩本堯監督と島田光二監督代行、1974~1981年は西本幸雄監督、1982~1983年は関口清治監督、1984~1985年は岡本伊三美監督という歴代監督の一覧表が紹介された。

 落合氏が「その中で一番影響を受けたのは西本さん?」と質問すると、鈴木氏は「やっぱり西本さんが1番」と答えた。

 鈴木氏は様々な戦術を駆使して「魔術師」と称された三原監督の名前を挙げ「三原監督はうまく選手を使うタイプの監督やったね。気分良くやらせてくれんねん。西本さんは選手を育てるタイプの監督やったね。どっちも大監督やったけど、タイプとしたら対照的やったね。三原監督の場合はおもしろいなと思ったけど、最後は分かってきてこういうことやろうなと。西本さんはコツコツと根気よく選手を作るタイプの監督やったね」と違いを説明した。

 落合氏が「西本さんは阪急から移ってきて近鉄の監督?」と聞くと、鈴木氏が「そう、そう。だから阪急の長池(徳士)選手、福本(豊)もそうやし、加藤秀(司)もそうやしね。私らの若い頃は阪急の強い時、黄金期やった。ところが西本さんがロッテで優勝したり、阪急で優勝したり、近鉄で優勝して8回優勝してんのやね。8回優勝して一度も日本一になれてない。逆に川上(哲治)監督はかなりの優勝回数して」と話すと、落合氏は「11回かなんか出て、日本シリーズ全部優勝してますよね」と11度の日本シリーズ優勝で全て日本一に導いた川上監督のデータを紹介した。

 西本監督は8度も日本シリーズに進みながら一度も日本一になれなかったことから「悲運の名将」と呼ばれた。「西本さんと川上さんは年一緒(同じ1920年生まれ)やねん。申年やねん。現役時代は川上さんで、西本さんは現役時代はあまりよくなかったみたいやけど、監督になって負けたくなかったいう気持ちは強かったみたいやね」と同世代の2人について語った。鈴木氏は、西本監督がマスコミから「不運でしたね」と言われると、「不運でなんで8回も日本シリーズに出れんねん」と言い返したというエピソードも披露。「監督はそういう意地を持ってはったよ」と振り返った。

 選手の立場としても歴代の監督を比較。「三原監督はその場をうまくつくって楽しませてくれる監督やったけど、選手にとっては西本さんの方がありがたいね。西本さんになってから育った選手も多いよ。三原監督の真似をしてるのは仰木(彬)監督や。西鉄時代に育ててもらってるからね」と話した。

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