日本ハム稲葉2軍監督がスポニチ独占インタビューで「1のススメ」

[ 2024年3月1日 11:49 ]

<日本ハム>国頭の海をバックにポーズを決める稲葉2軍監督(撮影・高橋 茂夫)
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 今季から新たに就任した日本ハムの稲葉篤紀2軍監督(51)が、本紙の単独インタビューに応じた。昨季まで2年間務めたGMから10年ぶりにユニホームに袖を通し、今春キャンプは全体練習を短くし、個人練習の時間を多く割くなど、改革を進めた。「育成と勝利」の両立を目指し、戦力の底上げを図ることを誓った。(聞き手・構成=田中 健人)

 ――10年ぶりのユニホームの着心地は?
 「着心地はいいですよ。今は青で昔と色も違うけど、新鮮ですね。GMの時と違って、監督という立場で自分の野球観も出しながら。チームの方針もあるし、ボス(新庄監督)の考えもあるし。その辺はミックスした中でやるのは、考えることが多い」

 ――野球観とは?
 「僕は、やっぱり考えたい。その時の状況の中で何をしたらいいか。あとは、選手はサイン通りに動きましょうと。逆にサインが何もなかったら、しっかり投手と勝負する。何もないってことは、自由に打っていいんですよ。変に右打ちとかを考えなくていい。今年のテーマは“1を大事に”。1点をどう取るか。1点をどう守るかということを最初に伝えましたね」

 ――春季キャンプでは全体練習を午後1時までにして、個人練習の時間を多くした。
 「コンパクトというかね。必要最低限は全体練習でやって、あとは個別。要は(全体練習時間以外の)個別の時間を21時間半取って、どうやって過ごすか。あとは、体がフレッシュな時に鍛えようということで、朝8時からのウエートトレーニングも推奨したり、試合後のグラウンドでのミーティングもなくした。スタッフが全員で着替えて、落ち着いてから振り返りをやりましょうと。その方が頭が整理される」

 ――現役時代から通じて国頭でのキャンプは初めてだった。
 「国頭は初めてで楽しかった。食べ物もおいしい。宿舎の目の前にはプライベートビーチもあるし、散歩も気持ちいい。休日にはゴルフも1回行けたし、海沿いの散歩が気持ち良かったですね」

 ――選手の動きはどうだった?
 「非常に良かった。今の選手は自主トレをしっかりやってきている。打球速度も上がっていて、体も大きくなっていた。だから、これを僕らは落としちゃいけない。せっかく鍛えた体も、練習をたくさんやると筋量が削れていく」

 ――GMの経験は現場でも生きる?
 「GMとして全選手を知ることができたのは良かった。球団がチームをどういう方向に進めようかというのも、この2年でちょっと変わってきたと思う。新庄監督が来られてからの2年間は、育成部分の見直しをずっとやってきた。それを学んでこられたのは良かった」

 ――注目のドラフト1位左腕の細野(東洋大)はどのように進んでいく?
 「細野はゆっくりでいい。大卒は即戦力といわれるけど、今は大卒もじっくり育てた方がいい。3月はライブBPを重ねて、試合で投げるのは4月ごろだと思う」

 ――2軍監督としての目標は?
 「やっぱり勝ちたいな。現役の時も侍ジャパンの監督の時もそうだけど、勝つということをずっとやってきたので優勝したい。ファーム選手権も出たい。短期決戦に出ると、選手も成長するんですよね。1軍なんかは特にそうだと思う」

 ――育成と勝利を求めるのは難しいか?
 「難しい。例えば、高卒ルーキーにいろんなことを求めても無理。だけど、選手は結局、勝つか負けるかでやってる。勝利をみんなで目指したい。そういう意味では、結果を出した選手を積極的に使っていきたいかな」

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