【ソフトB有原インタビュー】“前後裁断” 自分の今できることをやるのが一番大事

[ 2024年3月1日 06:00 ]

ソフトバンク・有原(撮影・岡田 丈靖)
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 小久保ホークス初の開幕投手に迫った――。ソフトバンクは2月29日で宮崎春季キャンプの全日程が終了。あす2日からはオープン戦がスタートする。有原航平投手(31)は、小久保新監督のもと開幕投手に任命された。昨季の10勝右腕は日本ハム在籍時の20年以来4年ぶり3度目の大役で開幕初白星を狙う。月末のオリックス戦に向けた準備を本格化させる前に“前後裁断”と書かれた手紙を受け取った思いや、近況などを直撃した。  (聞き手・井上 満夫)

 ――2月21日に小久保監督から開幕を託された際に渡された手紙に“前後裁断”との言葉があった。記者は意味を調べたが、以前から知っていた?
 「はい、知ってました。“おっ!”と思いました。今回、開幕を任せていただきましたけど、自分の今できることをやるのが一番大事というのは凄く入ってきました。めちゃくちゃいい言葉だなと。考えることはいろいろあるけど、考えるより、今できることをやった方がいい方向にいくという監督の思い。そんな声かけは凄くうれしかった」

 ――投手・有原の座右の銘は?
 「僕はやっぱり“ありがとう”ですね。感謝を伝える言葉。広陵出身なので(※1)」

 ――日本ハム時代の2度の開幕戦を思い出すと?
 「勝てていないのが結果として思います。17年は良くなかったけど、20年は内容は良かった。4回に一気に3点取られて、もったいない投球だったなと。まずはチームが勝てるように、その中で自分が必死にやることです(※2)」

 ――小久保ホークス初陣となる1球目。何を投げたいか?
 「1球目、やっぱり真っすぐを投げたいですけどね。でも、それは捕手に決めてもらいますかね」

 ――昨季途中6月6日のDeNA戦から1軍で登板して10勝。昨春は2軍でどんな思いだったか。
 「とにかく早く1軍で投げたい思い。それだけでしたね。別に痛いところもなかったけど、抜群の結果でなかった。なかなか気持ちとマッチしない難しいところもあった」

 ――今年の開幕はオリックス戦。15年のプロ初登板、初先発、初勝利が同戦だったが、昔からいい相性?
 「そんなことはないんですけどね。初登板は覚えてますね。5月15日ですね。特に何かイメージはないが、でも結果としていいのならばうれしいですよね」

 ――今春初ブルペンから首脳陣が、状態の良さにうなっていた。例年と変えた点とは。
 「ずっとオフもキャッチボールをしてきた。例年やらないけど去年の11月半ばからやってた。肩を休ませるというより、いつでも投げられる状態を意識した」

 ――西武時代の山川と通算で18打数6安打5打点、被打率・333。さらにウォーカーも加入した新打線をどう見る?
 「いやー、もう恐ろしいですよね。メンバーを見てたら敵だったら嫌だなと思う。僕がしっかりと投げれば勝ちはやっぱり来る。頑張りたいです」

 ――日本ハム時代の後輩、ドジャース・大谷とは今も連絡を取り合っているのか。
 「去年、まだロスで練習してたんで取ったりしてましたが、最近は取ってないです」

 ――翔平(15年)も航平(19年)もNPBでのキャリアハイが15勝。
 「いやいやいや、だめですよ、何でも翔平につなげたら(爆笑)。でも、翔平どうこうよりは、自分のマックスが15なので、やっぱりもっとキャリアハイを出したい気持ちはある。上を目指したいです」

 ――福岡に来て1年が過ぎた。新天地ならではのマイブームは。
 「パン屋さんです。パン屋さんを巡るのではなく、朝ご飯を食べに行く。休みの日はそうしてますね。食べることは好きなので」

 ――焼きたてパンのような形の京セラドームで開幕する。
 「一年間、けがをせずに回ることが大事。その第一歩が、開幕戦。気迫のこもった投球を。チームの代表として最初を任された。独特なものはあるけど、気持ちを入れて1球目から全力で打者に集中していきたいですね」

 ※1 広陵・中井哲之監督が最も大事にしている言葉。

 ※2 17年3月31日の西武戦(札幌ドーム)は5回2/3を投げて6安打6失点(自責4)、新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れた20年6月19日の西武戦(メットライフドーム)も6回4安打3失点でいずれも黒星。

 ◇有原 航平(ありはら・こうへい) 1992年(平4)8月11日生まれ、広島県出身の31歳。広陵では甲子園に2度出場し3年春に4強入り。早大ではリーグ戦通算19勝。14年ドラフトで4球団の1位指名を受け日本ハムに入団。15年に8勝で新人王、19年に15勝で最多勝。21年からのレンジャーズでは右肩手術の影響などで2年間で3勝7敗、防御率7.57。昨季ソフトバンクで日本球界に復帰してチーム最多10勝。NPB通算成績は146試合登板で70勝55敗、防御率3.56。1メートル90、100キロ。右投げ右打ち。

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