阪神・森下、CSへ視界良好 “韓国の朗希”に自画自賛の適時打 変化球に対応「良い打撃ができた」

[ 2023年10月13日 05:15 ]

フェニックス・リーグ   阪神3―0韓国選抜2 ( 2023年10月12日    生目の森第2 )

<フェニックスリーグ 神・韓国選抜第2>試合に勝利し、手を見せる森下(撮影・岸 良祐)
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 阪神の森下翔太内野手(23)が12日、みやざきフェニックス・リーグの韓国プロ野球選抜2戦(生目第2)に「3番・右翼」で先発出場し、“韓国の佐々木朗希”撃ちで好調をアピールした。最速160キロ超を誇る剛腕の相手先発キム・ソヒョン投手(19=ハンファ)から、初回の好機で中前適時打。日韓の有望株対決を制した虎の大砲が、18日に初戦を迎えるクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(S)へ向け頼もしい快音を響かせた。

 内外野の観客席もなく、立ち見のファンがフェンス越しに声援を送る球場で、ひっそり実現した日韓トッププロスペクト対決。森下のスイングが、剛腕のボールを上回った。

 「センター返しできたんで、(打球の)方向的には良かった」
 初回1死二塁の好機で迎えた第1打席。カーブを捉えて中前に運び、先制点をたたき出した。結果的に決勝打となった一打は、その打ち砕いた相手で、さらに価値が高まった。

 対峙(たいじ)したのは韓国選抜2の先発・キム・ソヒョン。オレンジ色のユニホームに身を包んで仁王立ちした右腕は、将来を嘱望されるプロ1年目のエース候補だ。昨年9月に米国で開催されたU18W杯で現巨人・浅野らを擁する日本代表の前に立ちはだかり、ツーシームがテレビ中継のスピードガンで101マイル(約162・5キロ)をたたきだした。“韓国の佐々木朗希”とも言うべき剛腕だ。

 その名にたがわぬパフォーマンスでこの日も最速155キロを計測。森下は「あそこまで速い球を投げるピッチャーもなかなかいない」と驚きつつ、2球目の変化球にしっかり対応してみせた。「右ピッチャーだったら、どの投手もスライダー(変化球)が多くなると思う。そういうボールを1球で仕留められたら自分の後のバッターもまっすぐが増える。良い打撃ができた」

 10本塁打を放ってリーグ優勝に貢献した虎の背番号1は、“プロ1年目対決”を制した価値ある先制打を手応え十分に振り返った。3回無死で迎えた2度目の対決では直球で詰まらされ三ゴロ。それでも登板後、苦い表情のキム・ソヒョンから「(森下は)体つきを見たら韓国の選手に似ているなと。直球、変化球をうまく使いたかったが、カーブを打たれてしまった」と反省の弁を引き出した。

 7回に四球を選び、3打数1安打2出塁。CSファイナルSへの最終調整のため乗り込んだ宮崎で3試合を終え10打数3安打、1本塁打、4打点と右肩上がりの調整を進める。

 「早めにフェニックスに参加できている意味をしっかり自分の中で捉えて、試合を経験できている。他の選手よりもCSの舞台で活躍してなんとかチームの勝利に貢献したい」

 “韓国の朗希”撃ちを追い風に虎のトッププロスペクトが短期決戦の主役になる。(遠藤 礼)

 ○…3回4安打2失点で降板したキム・ソヒョンは登板後に日本の報道陣に対応し、過去に日本でのプレーを熱望していたことを明かした。「高校時代からメジャーよりも日本でプレーしたいなと思っていました」。日本ハム時代の大谷(現エンゼルス)やオリックス・山本に憧れてもいたという韓国の剛腕。日本選手との対戦を通して「韓国のバッターと比較しても直球に対して余裕を持って打ちにくる打者が多い。来季に向けて、いいきっかけになる」と、進化につながるヒントを手にしたもようだ。

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